台北から発信するカナダ人デザイナーAly- 真理的朋友訪問日記-Vol.2

今回が2回目となる真理的朋友訪問日記では、台北に住み自らのブランド“KOCHETKOV(コチェッコブ)”の立ち上げに奮闘しているカナダ出身のAly(アリー)を紹介しようと思います。

 

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ちなみに、これがアリー。着ているのは彼女のブランド、<KOCHETKOV>のもの。ちなみに連載第一回目に登場したジョイの服もそう。

 

私とアリーが出会ったのは、新進気鋭フォトグラファー、松藤美里ちゃんが「台北にアリーちゃんていう面白い子がいるから会ってみて!」と紹介してくれた事がキッカケでした。その後、アリーとインスタグラムのメッセージでやり取りをし一緒にライブを見に行くことになり、出会ったその夜に意気投合、結局ライブは全く見ずにライブハウスの外でワンカップを飲みながらずっと笑い転げいていたのが始まりでした。

 

*アリーと始めて出会った夜の写真。シーンキッズが集まる台北のライブハウス、the wall の前で。

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アリーはまだとっても若いのですが、日本に住んで大学に通ったり、仕事をいくつも掛け持ちして駆け回ったり、洋裁を独学で学びブランドを立ち上げたりと、独立心と力強さを持っているガールであり、幼い頃から様々な経験をしたようで成熟したマインドを持っているのですが屈託のないとても明るい性格でどんな場も明るく照らしてくれる、正に太陽のような存在です。

ちなみに先日、アリーと一緒にW Taipeiの中にあるルーフトップバー、WOOBARという所へ行き、スーパームーンを眺めてきました。スーパームーンという響きがちょっとおバカで面白いらしく、アリーちゃん、めちゃくちゃウケてました。まぁ、スーパームーンさえもアリーが照らしているのではないのでしょうか。なんちゃって。

 

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さて、今回はそんなパワフルで美しくてとても愛らしいアリーのお宅を訪問し、インタビューをいたしました。ちなみに、前回インタビューしたジョイとアリーはルームメイトで、2人は家族というか、じゃれてコロコロ転げ回る子犬達のように本当に大の仲良しです。

 

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それではまず、アリーの生い立ちについて教えてください。

21歳、カナダのバンクーバー出身。私の母親は、ユダヤ系ロシア人で、80年代にカナダに引っ越して来てカナダで結婚したの。私と妹が生まれた後に両親は離婚しちゃったけど。ちなみに、私のお母さんは、かなりタフな人!

 

アリーちゃんのバックグラウンドには色々と深い時代背景がありそうですね…。ところで、アリーは小さい頃どんな子だった?

完全にADDで集中力が全くなくて、あと、妄想もしょっちゅうしててよくボーッとしてた。全身デニムコーディネートするのもすごく好きだった。笑

 

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今でもよく妄想してそうですね。笑 どうして台北に引っ越して来たか理由を聞いてもいい?

もちろん!1年半ほど日本に住んで学校に通っていたけど、その間に台北出身の男の子と出会って付き合うことになったのが一つの理由かな。恋愛のために別の国に引っ越すなんて馬鹿げた理由だけど、ルームメイトのジョイ(ジョイについては真理的朋友訪問日記Vol.1を読んでみてね!)と日本で出会って大親友になったのが台北に来ることになった一番大きな要因だと思う。ジョイを訪ねて台北に何回か遊びに来た時、ジョイのアーティストとしての活動や仕事っぷりにすごく刺激を受けたし、こっちには若くてパワフルな女性デザイナーも沢山いて…これらのことで台北のことを完全に理解したっていうことにはならないけど、ここにはコミュニケーションが円滑に出来て、色んな人と一緒に働ける環境があるってことは理解できたの。それに、ジョイに台北に引っ越したいって相談したら、いいよ、私のマンションに住んでいいよ!って言ってくれてすごく心強かった。それに、台湾は物価も家賃も日本と比べてすごく安いし住みやすいの。

 

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では、自分のファッションブランド“KOCHETKOV(コチェッコブ)”を立ち上げる事にしたキッカケは?

私がまだ小さい頃、私のお母さんがまだ子供には早すぎるような日本のアニメを沢山見せてくれて、それにすごく影響を受けていつか日本に行きたいと思ってた。それで、日本の大学に通うことになったけど学校のシステムは私には合わなくて、でも、日本にいるしファッションと近い位置にいたいと考えてたし、何かを学びたいという気持ちは常にあって、自分で先ずファッションブランドを始めてみようって考えたの。日本のデザイナーも大好きで、特にYohji Yamamotoはずっと前からすごく尊敬してる。

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2016SS COLLECTION “START” photo : Miri Matsufuji

 

アリーはファッションデザインを学ぶ学校には通ってないよね。どうやって自分でデザインしてパターンを作ったりできるようになったの?

高校の時の先生が、私に基本的なパターンの作り方を教えてくれたの。それですごく興味を持ったから、自分で色々試行錯誤してデザインしたりパターンを作ったり。

 

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すごい!才能にも師匠にも恵まれたラッキーガールだ!ところで、“KOCHETKOV(コチェッコブ)”でデザインをする時は、何からインスピレーションを受けてる?あと、“KOCHETKOV”の意味は?

一番のインスピレーションは、ルームメイトのジョイ、あと、私のお母さんかな。

私のお母さんとお父さんが離婚した時、お母さんはすぐに他の街に新しい家を見つけて、荷物を全部まとめて車に詰めて、私と妹に車に乗って新しい場所に出かけるよ!って言ったの。私達は何だかよく分からないけど車に乗り込んで出発して、高速に乗ったら真冬だったけどお母さんがいきなり車の窓を全開にして、私達に、思いっきり叫べ〜!って言ったから、3人でギャーと叫んで、歌を歌って、それがすごく楽しかったしワクワクした。どんな時もタフでポジティブでクレイジーなお母さんは私のインスピレーションの源になってると思う。

それと、女の子の髪の毛も、すごく大切なインスピレーション!髪の毛ってむき出しで正直で、自分のスタイルをストレートに反映できる身体の部分だから、女の子の髪型は重要で私のフェティッシュでもあるの!ナチュラルでその人に似合ってる髪型がすごく好きで、そういう髪の毛にさくっと似合う洋服を作りたいって考えてる。

“KOCHETKOV(コチェッコブ)”は、実は私のお父さんのロシアの名字で、カナダに移り住んだ私の親戚はもうこの名字を使っていないの。 KOCHETKOVっていうブランド名にしたのはちょっとした皮肉でもあって、私がまだロシアに住んでいたらどんな風に過ごして、どんな人になっていたかっていう妄想を重ねたもう一人の私の姿でもあるの。

 

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なるほど。オルターエゴっていうやつですね! KOCHETKOVは、台北からもインスピレーションを受けてる部分もあるのかな?

もちろん。とくに台北の環境や外観の部分かな。台北の建物は古くてぎっしり密集して建てられていて、沢山の植物がだら〜んとベランダから飾られていて、そういうルースな部分や、台北の熱帯日にも涼しい風が服の中を吹き抜けるようなデザインをしたいといつも考えてるの。

 

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2016SS COLLECTION “START” photo : Miri Matsufuji

 

台北のファッションシーンはどんな感じ?

今、色々と新しい事が起こり始めてる面白い時期かな。若いデザイナーは沢山いるし、台湾の女性達は力強くて、トレンドに流されすぎずにそれぞれのスタイルを確立してると思う。コンサバな人もいるけど、それはそれで面白いし、男性サイズの服を上手く着こなしている女の子達が沢山いて、彼女達のニュートラルなファッションには、私もすごく影響を受けてる。

台湾は、年代層が高い人達のオールドファッションな部分と、モダンでインターナショナルな若い世代が溶け込んだ面白い場所だと思う。

 

最近の若い人達のモダンでインターナショナルな部分は、どこから来てると思う?

海外から入って来る音楽やファッションの波、インターネットカルチャーの影響は本当に大きいと思う。でも皆、すごく上手い具合に良い所を取り入れてると思う。

 

確かに台湾は、FacebookやInstagramなどのSNSをビジネスやプライベートで利用してる人の割合が日本よりも断然高いよね。では、台湾発ブランドで最近のお気に入りは?

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それではついでに、台北でお気に入りの場所は?

台北駅あたりのダウンタウンから西門にかけてのエリアかな。すごく混沌としていて汚いし、車やスクーターの運転も乱暴だから自転車に乗ってると事故を起こして死んでしまうんじゃないかと思うけど、食べ物も美味しいものが沢山あるし、ローカルデザイナーやショップが集まっていて、すごく活気があって大好き。

 


 

ちなみに、アリーのお気に入りの台湾発ミュージックについて尋ねてみたら、落差草原 WWWWというエクスペリメンタルバンドだそうです。一曲、youtubeから引っ張ってきてみました。ちなみにアリーはテクノ育ち。

 

 

 

そして、アリーに自分の大切なもの3つ見せてと頼んだら、家族の写真、小さい頃からずっと持っている牛のぬいぐるみ、ミシンでした。

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自らのバックグラウンドと、新たな土地での生活や文化を尊重し新たなものに繋げていくアリーは、驚くべき柔軟性と創造力の塊だなぁと改めて実感させられたインタビューとなりました。

 

*ボーイフレンドとシェアしているアリーの作業用のスタジオ。

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アリーのインスタグラムはこちらから。

もうすぐ新作をお披露目するそう。また、 KOCHETKOVのウェブサイトの公開も間近!

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それでは次回も、台北のアツアツのカルチャーシーンの情報をお伝えしようと思いますので、お楽しみに!

小嶋真理 Mari Kojima

写真家・フリーの翻訳家、ライター。
website: marikojima.com
instagram: @rottendotmari

趣味で始めたウェブマガジンも、ボチボチアップ中。
gallomo.com