「最近、日本のブランドってどーなの?」緊急ガールズトーーク! スタイリストチーム編

世界規模の人気を誇るブランド、それに続くと期待される注目の新人に、話題の90’sリバイバルや「裏原ストリート」「私的愛用ブランド」まで。ファッションを生業とするスタイリストチームが日本のブランドについて、ぺちゃくちゃおしゃべり。


スタイリストチーム

飯島朋子さん (スタイリスト)
吉田 恵さん (スタイリスト)
遠藤彩香さん (スタイリスト)

GINZA スタイリストの皆さんにはまず、スタイリングを組む時に重宝するブランドについて聞いてみたいです。

遠藤 私は、〈アカネ ウツノミヤ〉(1)でリースすることが多いです。デザイナーのアカネちゃんがコーディネートのことを考えながら洋服作りを進めているからかな、すごく使いやすいんです。

gz12_1(アカネ)

1. デザイナーは蓮井茜。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズ芸術大学卒業。2017年リゾートコレクションはイタリアの現代アーティストから着想。

 

飯島 〈トーガ〉(2)は世界観がはっきりしていて着こなしのメインにできるアイテムもあるし、インパクトが残せる。それでいて他のブランドとも合わせやすい。古田さんもスタイリング重視の服づくりなんじゃないかな。

gz12_2(トーガ)

2. 世界中のモードマニアに愛されるブランド〈トーガ〉。ロンドンファッションウィークで発表された2017年春夏コレクションのファーストルック。

 

GINZA 飯島さんは今月号で日本人ブランドをミックスして作る「ラヴミープリーズ♡ トーキョーミックス」(P.60)という企画を担当してもらいましたけども。どうでしたか?

飯島 約15ブランド程度を使用したんだけど、どこも良くも悪くも主張が強いから、いやー、難しかったぁ(笑)。

吉田 わぁ、大変そう。日本のブランドは一枚一枚に主張がありますもんねー。

飯島 そんななかで重宝したのは〈ハイク〉(3)とメンズブランドの〈ミスター・ジェントルマン〉(4)かな。自分のブランドの世界観はもちろんありながら、着る人のワードローブや、東京のおしゃれのスタンダードみたいなところまで考えてる。

gz12_3ハイク

3. 吉原秀明、大出由紀子が手がける〈ハイク〉は東京の上質なスタンダードウェアという地位を確立。大手メーカーとのコラボアイテムも常に話題。

gz12_4ミスタージェントルマン

4.〈フェノメノン〉デザイナーのオオスミタケシと〈ザ・コンテンポラリーフィックス〉オーナー吉井雄一が手がけるメンズブランド。

 

遠藤 〈ミスター・ジェントルマン〉はサイズ展開も幅広いところがすごく魅力的ですよね。

吉田 私はコーディネートが組みやすいという視点から外れていきなり方向性変えちゃいますけど(笑)、〈リトゥンアフターワーズ〉はショーや展示会を必ず見に行くようにしてます。山縣さんが見せるクリエイションからはいつも刺激をもらえる。それが直接的ではなくとも、スタイリングを組む時のインスピレーション源になることがあるんですよ。

遠藤 なるほど〜。めぐちゃん、〈サカイ〉(5)のルックブックも担当してるけど〈サカイ〉のベクトルも独特なの?

Sacai Paris RTW Spring Summer 2017 September - October 2016

5. クリエイションの質も人気も、海外のハイメゾンと肩を並べるインターナショナルブランド。パリで発表した、2017年春夏シーズンより。

 

 

吉田 〈サカイ〉はインターナショナルなブランドとしての地位を確立しているブランドだから、やるたびに緊張するけど楽しい! 袖を通すことでより強く引き立つ服だから面白いの。スタイリングを組んでいて本当に楽しくなるブランドですね。

遠藤 デザイナーの服作りをいち早く、身近で見させてもらえる機会は貴重だよね。私は〈マメ〉(6)のルックブックをやらせてもらってるんだけど、1ピースにかける熱量がすごい。メイド・イン・ジャパンにもこだわっていて、地方の工場のおじさんに糸一本から相談してる。

gz12_6マメ

6. デザイナーの黒河内真衣子は1985年長野県生まれ。2010年、25歳で〈マメ〉を立ち上げて以来、モードを愛する若い世代から支持を受けている。

 

飯島 すごく女っぽくて強い服だよね。年齢問わず、エレガントに着こなしてる業界人がたくさんいるイメージ。

遠藤 デザイナーのマメちゃん自身が女っぽいんです。マウンテンパーカ着て撮影現場でガシガシ仕事してても女っぽい(笑)。NYの有名なプレスルームの「ニュース」にも置かれることになったので、これから海外でもマメちゃんの世界観が広がるとうれしいです。

mame

 

飯島 〈ノワール ケイ ニノミヤ〉(7)も、技術がすごくて〈コム デ ギャルソン〉のパワーをしっかり受け継いでるから、海外での人気もますます上がりそうな予感がする。

gz12_7ケイニノミヤ

7. アントワープ王立芸術学院卒業後、〈コム デ ギャルソン〉に入社。2013年より自身のブランドを発表している。力強く新しい黒の装いにファン、多数。

 

吉田 パリコレ中に業界人が必ず覗く「コレット」のウィンドウにもバーンとディスプレイされていて、注目浴びてました。

 

GINZA アクセサリーや小物のブランドはどうですか? 小さな規模でコツコツやっているブランドを、スタイリストさんが見つけだしてメジャーに押し上げることがよくある分野かと。

遠藤 靴だと〈サキアス〉(8)が可愛いですよね。実際に履いて、本気で走れるヒール靴を作っている。メンズ靴できれいなのはその名の通りですが〈ビューティフル シューズ〉とか。

gz12_8サキアス

8. 瀧見サキが2012年にスタートしたシューズブランド。独学で学んだ解剖学、シューフィッターの観点などを織り交ぜ、デザインの美しさにとびきりの機能性をプラスしたものづくりが話題。

吉田 今日、自分でもシルバーリングをつけてますがジュエリーブランドなら〈ラストダンス〉(9)ですかね。

gz12_9ラストダンス

9. デザイナー武田千賀子が山梨県、甲府のアルチザンとの出会いをきっかけに、手仕事の良さを大切にしたシンプルなジュエリーを作りたいとの想いから始まったブランド。

遠藤 今や安定した人気を誇る〈シハラ〉(10)もいいし、私は最近の〈アンブッシュ®〉(11)は特に好き。

gz12_10シハラ

10. 石原勇太がデザインする、シンプルかつクリーンな美しさを放つジュエリー。意表をつく発想やグラフィカルなデザインは、幅広い世代に愛されている。

gz12_11アンブッシュ

11. 東京のパーティシーンに欠かせない2人、VERBAL&YOONが手がけるジュエリー。東京のカルチャーを反映したダイナミックなコレクション。

 

GINZA お仕事ももちろんですけど、プライベートで実際に愛用してるブランドやアイテムはあります?

吉田 襟付きのシャツは日本のブランドがおすすめ。海外ものはカラーの高さが難しいかも。

遠藤 私はパンツが多いかな。やっぱりサイズ感が絶妙。〈タロウホリウチ〉(12)、〈トーガ〉を愛用してます。

gz12_12タロウホリウチ

12. 2007年アントワープ王立芸術学院を首席で卒業。2010年春夏シーズンに自身のブランドを設立。写真は最新の2017年春夏コレクションより。

 

飯島 〈ヤエカ〉(13)のシャツかな、私は。〈ヤエカ〉は撮影スタッフで着てる人が本当に多いよね。

gz12_13ヤエカ_new

13. 上質で丁寧なものづくりとさり気なく、ほんの少しだけひねりを加えたスタンダードウェアがヒット。ショップではアンティーク家具や食も提供する。

 

遠藤 奥さんが着ていたら、だいたいその旦那さんも着ているイメージ! パートナーや家族に買ってあげたいブランドNo.1なのでしょうか。そういう広がり方をしてるのって〈ヤエカ〉だけかも……。

飯島 ちょっとだけこだわりが見えるスタンダードな洋服作りが玄人受けするんだろうね。

 

GINZA では最後に、日本ブランドへ向けてのメッセージをお願いしまーす。

遠藤 海外のブランドの薫りを感じながら洋服を作るんじゃなくて、東京で作ってるからこそ!という本当のオリジナルにこだわってほしいです。そこから生まれる強さが見たいって思います。

吉田 日本の工場を使ってファッション産業を継承してほしいです。もちろん、我々もそれをもっと発信していかなくちゃダメですけどね。後は売れるピースももちろん大切だけど、ブランドの個性がほとばしるピースももっと作ってほしいな。そしてそれを武器にもっと外に目を向けたら面白くなりそう。

飯島 イギリスやイタリアみたいに、職人さんに対するリスペクトがあるクリエイションを見てみたいなと思ってます。我々スタイリストも一緒に日本ブランドとともにファッションの夢を伝えられたら本望です〜!


実際に服をスタイリングする立場からの目線でおしゃべり

ジャーナリストチーム

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飯島朋子
(スタイリスト)

本誌をはじめ、数多くの女性ファッション誌でページをつくる人気者。ウェディング、ジュエリーまで守備範囲も広い。

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吉田 恵
(スタイリスト)

飯田珠緒に師事。確かな知識、リサーチ力、ガッツと3拍子そろったスタイリストとして、スタッフからの信頼も厚い。

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遠藤彩香
(スタイリスト)

雑誌はもちろんのこと、話題の日本ブランドのルックブックを数多く担当。パンチの効いた旬のスタイリングに定評あり。

Illustration: Kahoko Sodeyama, Yutaka Nakane
Text&Edit: Kaori Watanabe(FW)

GINZA2016年12月号掲載