少し前まで、お寺に行くのは年配の方というイメージがあったが、近年では、若い女性の姿もよく見かけるようになった。仏像を見るのが好き、写経や座禅などを体験したい、精進料理を食べてみたいなど、目的はさまざま。この頃では、「寺ヨガ」や瞑想など、誰でも参加できるイベントも人気があるようだ。

お寺を訪れるどの人にも共通しているのは、「静かなお堂の中で座っていると、なぜか気持ちが穏やかになる」という感覚である。今は観光目的で行く人が多いが、もともとお寺は祈りの場。何か悩み事のある方は、仏様に打ち明けてみよう。どんなことをどう祈るかは人それぞれなので、正式なお参りのしかたを知らなくても大丈夫。

仏様は、あなたの言葉を否定したり、叱咤激励したりはせず、ただ微笑んで聞いてくださる。この「聞いてもらえた」という安心感によって悩みが薄らぎ、目に見える御利益よりも、もっと深いところで心の支えとなって、やがてはよい結果につながる。仏様とは、そういうものだ。奈良や京都の華やかなお寺を訪ねるのもよいけれど、困ったときにすぐ行ける身近なお寺の仏様と仲良くなっておくと、人生のいろいろな局面で役立つはずだ。

吉田さらさ よしだ・さらさ

出版社勤務を経て、日本初のテラタビスト、 寺旅研究家として幅広く活躍中。『お寺で遊ぶ東京散歩』(新宿書房)、 『明日がちょっと幸せになる お地蔵さまの言葉』(ディスカヴァー21)など著書多数。

collage: Akihiro Kubota