いまや普遍の定番アイテムとなっているものには、ミュージシャンが愛用したことをゆえんとするものがあります。音楽とファッションをこよなく愛する、スタイリスト谷崎彩さんによる名品ガイド。


The Beatles

J. M. Weston “Chelsea Boots 705”

チェルシーブーツ〈705〉 ¥135,000(ジェイエムウエストン | ジェイエムウエストン 青山店)

「デビュー当時のビートルズが履いていたといわれています。このタイプのブーツの歴史は古く、1836年にヴィクトリア女王のために作ったことが始まりとされています。ジョンロブ創業よりも前の話ですね。再び1960年代、キングスロードにたむろする若者たちがビートルズを真似たことから“チェルシーブーツ”と呼ばれるように。最初期のメンバーだったスチュアート・サトクリフが見つけてきたこの靴をポールが気に入り、足が長く見えるようキューバンヒールでわざわざ誂えたという都市伝説も」

The Pretenders

Lewis Leathers “CYCLONE”

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レザージャケット〈サイクロン〉 ¥158,000(Lewis Leathers | Roll/ Lewis Leathers Japan)

「ルイスレザーといえば、プリテンダーズのクリッシー・ハインド。スポーティなこの型を選ぶところが通ですね。『愛しのキッズ』のジャケットでカッコよく着用。胸ポケットの位置からするとメンズなんですよね。かのジョニー・サンダースも同じく赤のサイクロンを愛用したそうですが、彼はレディスをタイトに着ていたらしい。私が見たことのある写真はモノクロで、赤という確証がとれず。ジョニー大好きだったなぁ。最後の来日公演、見に行けたことが今でも忘れられない思い出です。そのわずか20日後に亡くなるなんてね」

Kurt Cobain

CONVERSE “JACK PURCELL”

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「カート・コバーンのグランジファッションを語るうえで、そしてその余波をもろに受けた原宿のストリートを語るうえで欠かせないのがこのスニーカー。1935年に誕生した名作です。80年代後半、ヴィンテージブームの時は“ヒゲなし”が偉かった。裏原期はMade in U.S.A.のスウェード(海外限定)。当時ビンキンでベージュとかグレーとか箱付きで並んでた。カート原理主義者は絶対にキャンバスの黒ですよね。穴のあいたニットに破れたジーンズや手描きのTシャツ。モードに与えた影響も計り知れないと思います」

Direction&Text: Aya Tanizaki
Photo: Kazuki Sato (sasaki office)


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