もっと知りたい、ネヘラの世界「ALL ABOUT NEHERA」ブランドの構成要素を紐解き、魅力に迫る

最近パリコレで注目されているブランド、〈ネヘラ〉。 その背景には長い歴史と旧チェコスロバキアの 伝統が隠されている。ブランドの構成要素を 紐解きながら、魅力に迫った。


「ネヘラ」という不思議な響きの名前は、1930年代に旧チェコスロバキアでブランドを立ち上げたヤン・ネヘラから来ている。彼は、繊維業が盛んだった故郷プロスチェヨフで、製造から小売りまでを担う「SPA」の先駆けのようなモデルを確立したビジネスマン。一時はヨーロッパ、アメリカ、アフリカに130以上の店舗を展開したほどだった。その輝かしい功績にインスパイアされ、2014年にリローンチされたのが、サムエル・ドゥリラをクリエイティブディレクターに迎えた現在のネヘラだ。

新生ネヘラにも、ヤン・ネヘラが築いたチェコとスロバキアのテーラースタジオや工場の伝統技術が存分に生かされている。2017年春夏コレクションではスロバキアに昔から伝わるインディゴ染めが採用された。

コレクションを見てみると、東欧のムードや丁寧なものづくりに加え、知性や品格、そしてモダンな感覚も伝わってくる。それはエルメスやザ ロウで経験を積んだサムエル・ドゥリラがもたらす要素だ。彼は、長年『エンセンス・マガジン』を手がけており、最新モードに造詣が深い。トレンドに左右されない静かでエレガントな雰囲気を保ちながら、いくつもの着方ができる仕組みになっているなど現代的なアイデアも駆使しているのだ。

ショーでは熟年のモデルも登場し、ネヘラの服はどの年代にもなじむことがわかる。異なるシーズン同士を組み合わせることも可能だ。確かな品質と時代を問わないエレガンス、そして着こなしの変化を生む作り。きっと長く付き合っていける服が見つかるはずだ。

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ポスター上左: クリエイティブディレクターのサムエル・ドゥリラ。スロバキアの首都ブラチスラヴァとパリを行き来している。2015年9月パリ・コレクションデビュー。

上中: 2017年春夏のキャンペーンヴィジュアルはスロバキアの若手Mária Švarbováが共産主義時代の雰囲気が残る建築内で撮影した。

上右: ネヘラの歴史を綴った新聞風の印刷物。左上の人物がヤン・ネヘラ。下左: 2017年春夏コレクションのテーマは「JUXTAPOSED(並列された)」。「調和のとれた不均衡」をめざし、着物や帯といった東洋の要素に西洋のテーラードを融合させている。日本のデニムやヴィンテージの綿布も使用。下右: サムエル・ドゥリラが編集長を務める、『エンセンス・マガジン』。ゆったりとしたレイアウトの丁寧な作りにネヘラ同様の信念を感じさせる。2002年創刊。年2回発行されている。

問い合わせ: ザ・ウォール ショールーム ☎03-5774-4001

Photo: Masaya Takagi
Text&Edit: Itoi Kuriyama


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GINZA2017年5月号掲載