女の子だって、裸に興味がある。ヌード写真集『脱いでみた。』の著者、写真家 花盛友里さんにインタビュー

ヌード写真集は、男子のためだけにあるものじゃない! そうです。女の子だって、女の子の裸に興味があります。写真家・花盛友里さんが撮影した『脱いでみた。』はまさに、ページをめくるたび思わず「可愛い!」と言ってしまうような、女の子のためのヌード写真集。その内容とはいかに。読んだあとは少し、自分の体のことが好きになっているかも!?


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初のヌード写真集を出すまでの経緯から教えてください。

2014年に出版した『寝起き女子』ですっぴんの女の子をたくさん撮ったんですけど、それをまとめた頃から「さらに女の子の素の部分まで迫りたい……!」という気持ちが生まれて「脱いでみた」シリーズを撮り始めたんです。被写体はモデルさんと一般の子が半々くらい。昨年の個展でお披露目したら、案の定、女性のお客さんがたくさん来てくれました。最終日はお客さんがギャラリーの外まで並んでくれたし、限定500部作ったZINEもすぐに完売して「お、これは需要があるんだな」と。その時のZINEは、どのページも額に入れて飾れるようなアートピースにしたかったから、大きめのタブロイド版にしました。それから出版に向けて動き出したんですけど、ヌードってことでなかなかハードルが高かったですね。出版が決まってからは、モデルさんも一般の方も同じように見せたかったので、人気がある子のページを多くするとかではなくて、有名無名関わらずランダムに構成した形で、本をつくっていきました。

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今回の被写体の女の子たちは、どのように決められたんですか?

出演してもらった女の子は全部で50人くらい。そのうち30人は私が「この子を脱がしたい」と思った子で、自分からインスタでいきなりメッセージを送ったり、友達に紹介してもらったり。あとの20人は一般の方を募集して、本人たちの写真を見ないまま、先着順で決めました。

 

カメラマンが被写体を見ずに決めるって、とても勇気のいることですよね。

ふふふふ(笑)。仕事では絶対ありえない。応募は全部で100人ぐらい来たかな。自分としても挑戦だったけど、選んだら嘘になるなと思って。いくら自分がインタビューで「私、女の子撮るのが得意です」って言っていても、相手がモデルを生業としてる人だったら、綺麗に撮れるのは当たり前だって思い始めて。顔も体型も知らない、どんな子だったとしても「絶対にその子の綺麗なところを見つけてあげたい!」って気持ちで、扉開けて初めましてっていうスタイルにしました。

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撮影の最中は、どのような会話をされるんですか?

緊張させないために、まず、会ってすぐに脱いでもらうんです。そこから30分間くらい、朝ごはんのこととか、恋愛の話とか、撮影の間ずっと話しながら撮っていると、終わる頃には、その子も服を着ていたことを忘れちゃう。「裸だからこそ話せたことがいっぱいあった」と言ってくれる子も多かったです。やっぱり、女の子はみんな体にコンプレックスがあるんですよね。胸が小さいとか、おしりが垂れているとか。普段は服を着て、自分の嫌いな場所を隠しながら過ごしているんだろうけど、そのコンプレックスも込みで自分の体を好きになって欲しいって思うんです。私が「ここめっちゃ綺麗やで!」って言いながら夢中で撮っていると、だんだん女の子も、もっと見られたいって表情になってくる。撮影しながら、変わっていくのがわかります。ある女の子が、撮影が終わった後に「自分は骨ばってる体がすごく嫌だったけど、写真を見たら、全然嫌に思えなかった」って言ってくれた時は嬉しかったですね。

 

一般的に“ヌード”って聞くと、どうしても生々しいイメージがあると思うんですけど、この写真集を見ていても、全然イヤらしい印象を受けません。何か秘密があるんでしょうか。

男の人が撮るグラビアって、不思議。なんであんなにエロくなるんでしょうか。たぶん男の人に撮られるっていうだけで、女性もフェロモンが出ると思うんですよ。だからどうやっても、女子が撮る写真とは違うと思います。私と男性カメラマンが同じモデルさんで撮影しても、被写体から出てくるものが違うはず。私は女の子の目線で「可愛い!」って思えるヌードを撮りたかった。自分で気づいてないと思うんですけど、今回撮った子の中にもフェロモンを纏っている子がいたんですよね。そのフェロモンががっつり写り込まないように、ポーズとか光は意識して変えているかもしれません。相手によって一人一人、こういうテイストでいきたいとか、ここで撮りたいとか、下着やヘアメイクもちゃんと決めています。

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花盛さんはInstagramも頻繁に更新されていますが、「脱いでみた。」シリーズはSNSでも反響はありましたか?

インスタを始めてからは、予想外の写真に「いいね!」がいっぱいついたり、皆の興味が数字でわかるから面白いです。美しいモデルさんが脱いでいる写真よりも、一般の子の体のラインを写した写真の方が人気だったりするんですよ。私も好きな写真だし、皆もそうやって感じているんだって思うと嬉しくて。

 

写真集に登場した女の子も、読んだ女の子たちも、自分の体に自信を持てるようになったり、変化が起きてると思うんですけど、花盛さん自身、今回ヌードを撮って何か変化はありましたか?

もともと自分の体が全然好きじゃなかったし、鏡を見るのも嫌だったけど、考え方が変わりました。今回被写体になってくれた50人も、きっと、勇気を出して撮られに来てくれたと思うんです。その子たちの魅力を探しながら撮って、毎日写真を眺めているうちに、いざ自分が裸で鏡の前に立った時、「ちょっとぽっちゃりしてるけど、ええか!」とか「このおっぱいの形、このブラやったら可愛いな」みたいな。今までは嫌だった部分を、なぜか許せるようになってきました。あと、下着のこともすごく好きになって、ついたくさん買っちゃいます!

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本の中には下着だけのページもありますが、やっぱり下着選びにもこだわりがあるんですか? 

この写真集に登場する下着はほぼ全て、ノンワイヤーでパッド無しのブラにしました。自然で、テロ~ンっていう質感が可愛いんですよね。男性を意識しておっぱいを盛るような勝負下着じゃなくて、私が本当に好きな下着だけを集めたかったんです。普段自分が身につける下着も、今はノンワイヤーばかり。「もはや乳首透けているくらいが可愛い!」って感じ始めています。旦那に言ったら、絶対怒られると思いますが(笑)。胸が大きい子はつけないとダメなのかもしれないけど、ノンワイヤーブラを可愛く着られるのは、胸がちっちゃい子の特権。それと、上下もけっこうバラバラでいいなって。下着は上下セットじゃなきゃ!っていうルールにも、皆囚われ過ぎな気がします。海外の可愛い下着のオンラインショップを見てみると、だいたい上下バラバラ。洋服みたいに「今日はこのパンツだからこのブラにしよう!」って、自分の好きなように組み合わせたら、もっと下着選びが楽しくなるんじゃないかな。

最近はもう、ずっと可愛い下着と女の子を検索してる(笑)。国内はまだまだノンワイヤーブラに馴染みがないみたいで種類が少ないけど、海外のブランドは可愛いものがたくさん揃ってます。でもちょっと高級なものが多いから、気軽に買える「フォーエバー21」をオススメします。ノンワイヤーデビューをするなら、まずはフォーエバーに行って試してみるのはどうでしょう。今度GINZAでそういう下着の企画があったら、是非やらせてほしいです(笑)!

 

『脱いでみた。』 花盛 友里 

ワニブックス(2017/5/8)


花盛友里

はなもり・ゆり>>1983年大阪府生まれ。写真家。雑誌や広告などでポートレートの撮影を中心に活躍中。2014年に出産し、現在は一児のママ。同年、自身初の写真集『寝起き女子』(宝島社)を発売。Instagram上で「寝起き男子」シリーズの連載もスタートし、話題になる。17年5月、ヌード写真集『脱いでみた。』(ワニブックス)を発売。
http://qreators.jp/qreator/hanamoriyuri
Instagram @yurihanamori

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Text: Satoko Muroga
Photo: Kanna Takahashi