「おなら=はずかしい」感覚は誰のもの? 「KAZAK」編集・発行人アギーの「わたし産みましたわ」

最近、ものすごーく腑に落ちたことがあるので、ぜひ書き残しておきたく、よろしければおつきあいください。われわれ大人たちは、赤ちゃんがぷっとおならをしたとき、かならずなにかしらの反応をしてしまう。かならずである! ふふっと笑ったり、にやにやしたり、「いまのなあに〜?」とおおげさに本人をからってみたりだ(もちろん0歳児にはスルーされるだけなのだが)。子からしてみれば「おなら=はずかしい」という意識がまだないため、お尻から小気味よい音をたてながらも表情はおだやかそのもの。そもそも自分のお尻からなにが出たのかもわかっていないと思うけど。……ってだめだ、話がそれそう!!

ちょっとまじめな話をすると、昔、フランスにボーヴォワールというフェミニストの作家がいた。彼女はいまから70年ぐらい前に、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という有名なテキストを残している。どういう意味かというと、「『女らしさ』(「男らしさ」も同様なのだが)というのは、生まれつき自分たちに備わっている資質ではなく、社会によって刷りこまれた概念なのです」というふうに、このボーヴォワールは語っているのである。これを聞いてわかったような、わからないような感じがずっとしていたのだけれども、子と過ごしているうち、わたしはついに発見した。次のように当てはめてみることで、わたしは彼女が言いたかったことの本質を、ある日すっと理解することができたのである「『おなら=はずかしい』という感情は、生まれつき自分たちにそなわっている感覚ではなく、社会によって刷り込まれた概念なのです」

(ユリイカ!!)

思えば、あらゆる世間の常識は、すべてそうなのだった。生まれた時はなんの情報も持たない赤ちゃんが、まわりからの影響で自然と身につけていくもの。で、2017の現代を生きるわたしは、ボーヴォワールが言っていたような、社会的に決められた「男らしさ」「女らしさ」という概念からは、もうとっくにみんな解放されるべきだと思っているし、自分の子どもにもそれを伝えていきたいと考えている。子どもにとっては、いちばん身近でまっさきに出会う「社会」が親なのだから、自分や夫の行動と考え方が彼女/彼におよぼす影響が絶大なのはあきらかなのだしさて、その証拠というわけではないけれど、ここ数日の間で子どもはおならをしたあと、自分でもちょっとおかしそうな顔をするようになっ ああ、なんともかわいい、小さい生きものであることだよ。

わたうみ8

アギーサンprofile
aggiiiiiii

アギー≫ZINE『KAZAK』編集/発行人。兵庫県出身、東京都在住。独自にガールズカルチャーを追い続ける。GINZA2016年11月号「読むファッション」特集では「KAZAK in GINZA」を制作。
http://kazakmagazine.blogspot.jp/