エディター福田真梨のNYコレクションレポート。私的ベスト2大ショーは CALVIN KLEIN 205W39NYCとMARC JACOBS!

9月上旬、約1週間に渡って開催されたニューヨーク・ファッション・ウィーク(以下NYFW)。ほかの都市にロケーションを移したり、ショーの開催を中止したりするブランドが増え、年々コンパクトになりつつある中、来場者を「ワーオ!」と驚かしてくれたのが、  〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉と〈MARC JACOBS〉。NYFWレポート第一弾、まずはこちらの2つのブランドにフォーカス!

 〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉第2章。
ラフが描く美しきアメリカンホラーショー

Spring 2018 CALVIN KLEIN : 205W39NYC Runway Show

(PHOTO: © 2017 Billy Farrell/BFA.com)

ラフ・シモンズがチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任し、2シーズン目を迎えた〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉。ブランド名通りのアドレスで、今季もニューコレクションがお披露目された。期待感で盛り上がる会場は、さながらファッション・オリンピックのような雰囲気。スターリング・ルビーの作品がぶら下がる天井を眺めていると、ポンポンの下に、何やらニョキッと生えたものが、斧!?

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前シーズンに登場したラフ流ウエスタンルックが、光沢感ある素材に姿を変え、ファーストルックを飾った。腰にポンポンを付けたモデルたちがコレクションの序章を紡ぎ、スーツを纏ったメンズのルックが登場すると、ストーリーは徐々に雲行きを変えていく。

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(ALL RUNWAY LOOKS: © 2017 Giovanni Giannoni)

映画『ローズマリーの赤ちゃん』のミア・ファローのような、ベリーショートのモデルが着たナイトガウン風ドレス。よく見ると、ナイフのスクリーンプリントが!続く、ドレス、タンクトップ、デニムなどにも、事故現場や新聞一面を彷彿とするセンセーショナルなプリントが重ねられている。

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今季のテーマは「SWEET DREAMS」。ラフは「アメリカンホラーとアメリカンビューティについて」と話す。「ファッションはホラーを隠し、美しさだけを享受しようとする。だけど、どちらも両方が人生の一部。このコレクションは、そんなアメリカンライフのお祝いなんだ」。

だから、会場に斧がぶら下がっていたのだと納得!プリントはアンディ・ウォーホールの作品を転写し、絵柄の一部には、映画『イージー・ライダー』に登場するデニス・ホッパーのポートレイトも。アメリカン・カルチャーのアイコニックな存在、作品が、ラフの解釈で洋服に落とし込まれていく。

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(ALL RUNWAY DETAIL SHOTS: © 2017 Gaspar Ruitz.)

ロンググローブをはめた女性スパイ的なルックは、ラバースーツならぬ、ラバーセットアップ。「MADE IN OHIO」とアメリカン・メイドに誇りを持って。またチュールは、ドレスにレイヤードでミステリアスな雰囲気を醸し出し、ポンポンはフリンジドレスに、ウインドブレーカーは、セクシー&フェミニンなドレスと、ストーリーのキャラクターたちは、変幻自在に飄々と姿を変える。

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ポンポンから香水瓶までチャームをモリモリに重ねづけしたバッグに、何かが飛び跳ねたようなスプラッター柄のパンプス。気になる小物もありすぎて、見どころ満載!ホラーさながら、思わず「キャー!!」と叫びたくなる。

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〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉セカンドシーズンを見た誰もが思ったであろう、「やっぱりカルバン・クラインとラフ・シモンズの相性、抜群だよね!」と。ビンジ・ウォッチングよろしく、もう私たちはラフが紡ぐ新たなストーリーにすっかり夢中になっている。

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ショーの模様はこちらから!
CALVIN KLEIN 205W39NYCSPRING 2018 RUNWAY SHOW


コンフィな靴にターバンで全員集合!
〈MARC JACOBS〉のヴィヴィッド大行進

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(All photos: Giovani Cardenas/ Courtesy of Marc Jacobs International, L.L.C.)

9月13日、ざわざわと緊張感が迫る予定時刻の7時。音も装飾も派手なライトもない広い会場を、ひとりのモデルが歩き始めた。それは、とても静かに、でも淡々と彼女は歩を進めていく。

 

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ファーストルックは、ヴィヴィッドオレンジのセットアップスーツ。たっぷりとしたビッグシルエットで、ウエストポーチがむしろベルトのようにも見える。インナーは同系色のタートルネック&シャツの重ね着と、すでに取り入れたいスタイルのWパンチ!歩く度にフラットシューズのフリンジがキラキラと光り、頭にはシルクのターバンとラインストーンのブローチ。一見シンプルなルックには、絶妙でギリギリのバランスで、多様な要素が共存している。

Marc Jacobs: Spring 2018 Runway

今季のテーマは、「SOMEWHERE」。マーク・ジェイコブスの長年のミューズ、ソフィア・コッポラの映画のタイトルを真っ先に思い出したあなたはご名答!テーマ名は彼女の映画に由来するらしい。

ただ、その内容は、映画とはまったく別のもの。映画では父娘が、そして夏の間、友人たちがバケーションを満喫している一方、マーク・ジェイコブスが、夢想したホリデー。ニューヨークという大都会を離れ、頭の中で創造するファンタジーには、いつかどこかで見かけた時代の、世界の、シーンのエキゾチックなエレメントが混在する。

SS18 MARC JACOBS

SS18 MARC JACOBS

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スティーブン・ジョーンズが手がけたターバンを頭に巻いた全56体からなるコレクションは、アフリカの民族衣装のようなエネルギッシュでカラフルなプリントから、全面スパンコールが眩い退廃的なクチュールライクのドレス、ワークウエアのような要素があったかと思えば、はたまたスキーウエアのようなスポーティなルックも登場する。時にはデイジーなど自身の過去シーズンにリンクするモチーフも。

マーク・ジェイコブスが描くコレクションからは、もっと自由に楽しく派手にファッションを楽しんだらいいという声が聞こえてくる。それは、ブランド創設から、彼が一貫して伝えてきたメッセージ。グローバルに第一線で活躍し続ける彼が目指すどこかには、私たちを魅了する美しい世界が広がっている。

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全ルックはこちらから!
Marc Jacobs Collection: Womens Ready to Wear Spring/Summer 2018 lookbooks

福田真梨 Mari Fukuda

エディター&ライター。出版社の編集者を経験した後、フリーランスに。現在はNYを拠点に活動中。シンプルながら気の利いたデザインが魅力のNYのバッグブランド〈VASIC(ヴァジック)〉がギンザシックスでポップアップストアを10/24まで開催中。「こういうのが欲しかった!」と、毎日つい持ちたくなるラインナップがツボです。詳細はこちら