人間界の気になる美容の噂を猫目線でレポート。猫探偵KIKI「ママはビューティジャーナリスト」人間たちの嗅覚に異変あり!?

私の名前はKIKI。お仕事は、おうちの中のパトロールとビューティジャーナリストのママの執筆中の見張り役。ママの記事もくまなくチェックしているから、美容には詳しいの。今回、GINZA編集部からの依頼で、レポーターとしてデビューすることに。どうぞよろしく。

最近、気になっているのは、「人間の嗅覚が危ない」っていう話。若い頃にちゃんと匂いの経験を積んでおかないと、匂いを感じる脳の神経細胞が衰えてしまい、匂いを感じる能力や、ひいては遺伝子を嗅ぎわける本能にまで悪影響を及ぼすという大学の研究データがあるのだそう。女の子が思春期の頃に父親と離れたがるのは、いちばん近い遺伝子を匂いで嗅ぎ分け、遠ざけようとする本能。しかも、強い遺伝子を求める本能は男性より女性が上なんだって。ふーん。雌が雄を選ぶのと一緒ね。

でも最近は、男女問わず、自分の匂いを一生懸命消そうとしている人たちばかりじゃない? 汗や皮脂をデオドラントで抑え、家中どこでも消臭、芳香剤でいっぱい。これじゃ匂いの変化に気付かないだろうし、強い遺伝子を嗅ぎわけるなんて無理よね。欧米の人たちは香りを利用して自分の匂いを積極的にアピールするけれど、日本人は香りを纏うことにも消極的。まあ、人間の嗅覚の10万倍って言われる私たち猫にとっては、ありがたいことなのだけれど。でも、人間、とくに日本人の嗅覚が危ないって言われたら、それも心配。臭いものにふたをし、無臭が心地いいと思うこの傾向、ちょっと見直すべきじゃない?

KIKI キキ

ビューティジャーナリスト安倍佐和子氏の愛猫。12歳。ママの原稿をこっそり盗み読みしながら、日々、美容情報を収集。人間界の気になる美容の噂を猫目線でレポート。

安倍佐和子

ビューティジャーナリストでKIKIのママ。女性誌や広告の編集・執筆をはじめ、講演会などでも活躍。先進スキンケアからメイク、オーガニックまで守備範囲は広い。

Illustration: Maria Ines Gul
Text: Nanako Koike

2016年9月号掲載