厳選した天然由来成分にこだわりつつ、現代的な女性美を追求するヘアケアブランド〈ダイアンボヌール〉。作家・山内マリコさんが寄せてくれた、髪と幸せのエッセイとともに、新しい「オーガニック」に触れてみる。
自分は「女」である。
という意識が芽生えてからずいぶん長いこと、
髪は思い通りにならない、手強い相手だった。
鏡の前で果てることのない格闘をくりかえしてきた。
誰かの素敵な髪にあこがれても、
そっくりにすることはできなくて、
ため息をついたっけ。「女」であることにもすっかり慣れて、
最近は自分にもかなり甘くなり、
髪は悩みのタネではなく、
そのままで充分に個性なんだと気づいた。
色み、手ざわり、硬さ、柔らかさ、毛の流れ方、
そのどれもが、あるがままでよかったんだ。
これは幸福な和解だ。
髪は、天から授けられた、その人だけの宝物。
自分の髪を愛することができたら、
日々を過ごす最低限の幸せは、担保される気がする。洗って、乾かして、梳かして、整える。
毎日そのくりかえし。
面倒?——正直に言うと。
飽きる?——そりゃあねえ。
だからちょっとでも楽しくしたい。
最近はすっかり香り至上主義者だ。
どんな髪になりたいか、ではなく、
単純に好きな香りで選んでる。
バスルームをいい匂いで満たしているときが
いちばん幸せかも。