働く自分が誇り。でもときどき体と心が息切れするときも……。 そんな頑張り屋こそフィト・セラピー(植物療法)に頼ってみない? 「塗る・飲む・嗅ぐ」という3つのアプローチで 体と心を健やかに、美しく導くBioなお手当てレッスン。
働く私を慈しむフィト・セラピー〔LESSON 1〕PMS対策を今すぐ -前編-
LESSON 1
PMS対策を今すぐ
-前編-
デニムジャケット ¥130,000、シューズ ヒール2cm ¥69,000(共にアヌーキ | ザ・ウォール ショールーム)/タイツ*スタイリスト私物
2つの女性ホルモンが支配する 私たちの心と体
一生のうちでも1年でも、1カ月でも女性の体は変わる。そのリズムを作っているのが、エストロゲンとプロゲステロンという2つの女性ホルモン。エストロゲンは、肌や髪の新陳代謝を促したり、メリハリのあるボディラインにしたりと美容のメリットが多い「美のホルモン」。でも過剰になると婦人科系の病気のリスクを高める側面も。もう一方のプロゲステロンは、子宮内膜を厚くふかふかにして、受精卵を宿したときに流れないようキープする「母のホルモン」。「むくみを引き起こしたり皮脂分泌を高めたりとマイナス面もあるけれど、エストロゲンの調整をし、大きな病気を防ぐ大切な働きが。この2つの変動が、体や心のコンディションに影響します」(松村先生)
生理前だけの不快な症状がPMS
PMS(月経前症候群)とは、生理開始の3〜10日前から始まる心と体の不快な症状。「イライラ、怒りっぽい、攻撃的になる、下腹部痛、頭痛、胸が張る、むくみなど、症状や程度はさまざまですが、30〜40代ではおよそ7割の女性に症状があり、1割が生活に支障をきたすほど重いといわれます」(松村先生)。生理が始まると症状がおさまるのが特徴。また、出産経験がある女性は精神的な症状が強くなる傾向があるとか。
生理前にこんな症状が2つ以上なら □自分を制御できないほどイライラする □うつ状態になる □やる気がなくなる □情緒不安定になる □怒りっぽくなって攻撃的になる □家から出るのが億劫になり引きこもりがちになる □疲れやすくなる、だるくなる □判断力・集中力が低下する □眠れなくなる or 過度に眠くなる □性欲・食欲が増す □下腹部が張る・痛む・重い □乳房が張る・痛む □便秘になる □頭が痛い・重い □手足がむくむ □過食になる、体重が増える
原因は多種多様。 プロゲステロン不足も?
エストロゲンとプロゲステロンは音楽の主旋律と対旋律のよう。しかるべきときに適切な量・バランスで分泌されることが大事。
上の図のように、排卵前はエストロゲン、排卵後にプロゲステロンが優位になり、生理が近づくにつれて減少。「このバランスの変化に体が対応しきれないのが一因。特に生理前は両方激減するので、小さな更年期のような状態。激変するからバランスも不安定に」(松村先生)。「特に30代はエストロゲンに対してプロゲステロンが不足しやすく、エストロゲン過剰になりやすいのです」(森田さん)。プロゲステロンと連動し、神経を落ち着かせる物質や、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンが低下するという報告も。また、精神的なストレスも大きな原因。
結婚・出産の文字も見え始め、仕事の内容や人間関係も複雑に。アラサーは忙しい……。
お話を聞いた方
松村圭子先生≫婦人科医。成城松村クリニック院長。女性を応援する目線での丁寧な診療に信頼が厚く、TVや雑誌、webメディアでも活躍。『美人ホルモン講座』(永岡書店)など著書多数。
森田敦子さん≫日本の植物療法の第一人者。航空会社勤務ののち渡仏して植物療法を学び、スクールや自身のブランドを立ち上げる。6月下旬に『潤うからだ(仮)』(ワニブックス)を上梓予定。
柏谷麻夕子さん≫美容ライター。PMSをハーブ療法で克服したことをきっかけに植物療法士に。メノポーズ(更年期)カウンセラーの資格ももち、自然療法と現代医療、両方での女性ケアを発信。
Photo: Rie Suzuki (model), Akiko Mizuno (product)
Styling: Michiko Yuasa
Hair&Make-up: Takae Kamikawa (mod’s hair)
Model: Nastya
Illustration: miyatachika
Text&Edit: Mayuko Kashiwaya