01 Jan 2019
美しくなるには”作り笑い”も必須!? 笑う門には美が宿る。 ――笑う、美容vol.1

素敵なあの人はいつだって 最強の笑みを浮かべてる。最強だから笑顔なのか?いや、たぶん、笑顔だから 最強で素敵なのだ。そんな仮説のもと、笑うことと 〝きれい〟の関係や、笑顔の ブラッシュアップ法を探りました。
笑う、美容① サイエンスで読み解く!〝笑う門には美が宿る〟
世界一シンプルな美容メソッドは
笑ってホルモンを活性化させること
「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」とはフランスの哲学者・アランが20世紀のはじめに残した言葉。たぶん、ずっと昔から人類は、笑顔が心をなごませ温めてくれること、人を魅力的に見せてくれることを潜在的に知っていた。そして今、笑顔がビューティやウエルネスにもたらす効果が、科学的にも解明されつつある。
笑っているとき、私たちの脳内では、幸福感をもたらすβ-エンドルフィンやマインドをポジティブに導き、ストレスを一時的に軽減するドーパミンなど、さまざまなホルモンや神経伝達物質が放出されている。ニコニコしていると、何となく心が晴れる気がするのはこのため。さらに注目したいのは、笑うことによるストレス発散効果によって、美と健康のスーパーホルモン・DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)の分泌量がアップしやすくなること!このホルモン、免疫力アップや体脂肪の減少、肌のハリ・艶に関係していて、若さをキープするために欠かせない存在。20代をピークに減少してしまうけれど、分泌量が多い人は長生きだ、という報告まで!また、笑顔が体の防御機能を高めるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性化や、交感神経が優位に働いている人の自律神経のチューニングにもひと役買ってくれることが判明。つまり、きれいな肌もヘルシーな心身もアンチエイジング効果も……笑うことひとつに望める、というわけ。
ここまで読んで「笑えるネタなんて多く見つからない」とか「コメディは趣味じゃない」と思ったそこのYOU!口角をキュッと引き上げ、前歯が見えるくらい口を開けて、10秒くらい〝にっこり顔〟をキープしてみて。きっと、何となく楽しい気分になるのを実感できるはず。実は、リアルに笑っていなくても、頬の筋肉を引き上げて作り笑いをするだけでもドーパミン系の神経活動は活発に。心から笑っているときと同じように、ストレス軽減作用や美容・健康効果を期待できることがわかっている。
理想は毎日、なるべくたくさんの時間を〝前歯が見えるくらいのスマイル〟で過ごすこと。乾いた肌を化粧水で潤すように、ウエストを絞るために腹筋をするように……美の底上げのためのTIPとして、〝笑った顔〟を習慣にしてみては?これ、他のどんな美容メソッドよりもイージーだから、誰でも、どんな環境にあっても続けられるはず!
グッドスマイルのためのデイリーTIPS
噛みごたえのあるものを食べる
ジュースやスープばかり摂っていると唇の周りの筋肉が衰え、口角がキュッと上がった笑顔を作りづらくなる。人参・セロリ・りんご・ナッツなど噛みごたえのある物をよく咀嚼しながらバリバリ食べると口周りの筋トレに。
質の高い睡眠をとる
笑いのセンサーを高めるために十分な睡眠を。寝不足になると感情表現が希薄になり、たとえ楽しいことがあっても笑えなくなる傾向が。なお、眠りの質を高めるためには就寝の3時間前にはスマホやPCを見ないのが理想。
毎日、軽い運動をする
運動をして脳内にドーパミンを分泌させることが笑顔作りのウォーミングアップとして有効。おすすめはウォーキングやヨガ、軽いジョギングetc.気楽に取り組めるもの。ハードだとストレスになって逆効果なのでご用心。
好きな歌を熱唱する
思いきり歌うのも、口の周りにある口輪筋や表情筋のトレーニングとして効果的!ちなみに、歌うこと自体にもストレスを軽減し、DHEAの分泌を促す効果が期待できる(歌がうまいかヘタかは問題ないのでご心配なく)。
Photo: Mai Kise Styling: Maiko Kimura Hair & Make-up: YoshikazuMiyamoto (BE NAYURAL) Model: Kristy Siedma Illustration: Toshiyuki Hirano Text & Edit: Chihiro Horie
GINZA2019年1月号掲載