初詣に行ったとき「神社は女性のからだを表している」という話を思い出しました。以前、知り合いの産婦人科医から聞いたのですが、最初にくぐる「鳥居」は「女性が足を開いて立っている姿」で、そこから続く「参道」は赤ちゃんの通る「産道」、そしてその先の「お宮」は「子宮」のことなのだそう。神様のもとへお参りに行くことで“心の中の世俗的なものを捨て、本来の自分に生まれ変わる”のだとしたら、参道に隠された「産道」的な意味にも納得です。さすが言霊の国。同音異義語は、意味は違っても共通した思念を示すのでしょう。
お参りを終え、再び鳥居の朱を抜けながら青空を見上げたら「わたし今、ポコンと生まれ直しました!安産!」と、赤ん坊のように生命エネルギーに満ちた気分になりました。新年のお参りとは、新しい自分に生まれ変わったり、本来の自分に帰ったり、去年までのいらないものを削ぎ落としてくれる儀式なのかも、と思います。
年明け初回の男女の交わりを意味する「姫始め」。これは一年の最初に行うものを表す「ひめはじめ」という言葉に当て字をはめ、それぞれの意味を持たせているそうです。「正月にやわらかく炊いた飯(=姫飯)を食べ始める日」や「馬の初乗りの日(飛馬始め)」、「女が洗濯や洗い張りを始める日(姫糊始め)」などがありますが、その年の初セックスという意味の“ひめ”は「秘め事」からきているのです。
生命力が溢れる一年にするために
新年の性と健康のスタートに、パートナーの足裏の「湧泉(ゆうせん)」押してみましょう。足底の中心より少し前の方にあって、第2・3趾の骨のあいだの窪んだあたり。足の指を曲げると足裏に「人」の字のようにシワができますが、その交差点の窪みが「湧泉」です。押せば泉のように元気が湧く、“生命・精力をつかさどる腎の経絡”の始まりのツボ。足の裏にあるので、熟練のテクニックがなくても、揉み返しが出づらく刺激しやすいところです。
別にセクシャルな行為が目的でなくても、パートナーの身体を触ることは優しさや愛情をダイレクトに伝えるよい手段です。相手の一年の健康を願いつつ、マッサージ。もし押しているうちにパートナーが即効性を感じ精力がみなぎるようなら、どうぞそのままセンシュアルタッチに切り替えて「秘め事」を楽しんでください。
前回のコラムで愛撫の適切な「速度」を案内しましたが、今回は「圧」について。
気持ちいいタッチの強さは、パートナーとコミュニケーションをとりながら、ふたりで探していくものです。愛撫のちょうどいい圧を確かめるには「これとこれ、どっちがいい?」と二択で聞いてみてください。よくある「どう?気持ちイイ…?」という問いかけだと、受け手側がイマイチと感じていても、否定のニュアンスを口に出したら相手を傷つけてしまうのではないか…と不安になり、正直な感想を伝えられなくなってしまいます。肝心なのは、Yes/Noで答えさせるのではなく、相手が返事をしやすいよう二択にすること。すると「最初に触ったくらいの弱めの方がいいな…もっと優しくてもいいくらい」といったふうに、受け手が自分の要求を素直に言いやすくなります。
ここで「うーん…いいかも」などと演技をしてその場を濁してしまったりすると、本当の快感を得るチャンスを逃すことになるので、思い切ってホンネで向き合う勇気も必要です。
迷ったときは、“弱めに、じっくり”。
圧を弱めにキープすることで、気持ちいい強さを求めた相手がグイグイと身体を押し当ててくるのを待つのも手です。そして触る側は相手のリアクションをすぐに気にしがちですが、慌てずじっくり。受け手の反応が出るまでには、少し時間がかかると思っておきましょう。肩叩きだって「トントン、(即)どう?」よりも、しばらく連打してもらっているうちに自然と「あ~~~、いいわぁ~」ってなりますよね。待つのは不安ですが、お互い演技をせず、相手を信頼して感覚を伝えあい、満足のいくタッチングを追求してみましょう。
セックス中の会話が全くないという人たちも多いようです。自分だけいつもより積極的になって引かれちゃったらどうしよう!と心配な方は、足裏のツボで“きちんと快感を求めあう練習”をしてみてください。それがうまくいけば、きっとセックスのときにも同じようなコミュニケーションができるはずです。
台湾にて花文字で房中養生祈願を描いてもらいました。受付のマダムが「家内安全とかじゃなくて?房中養生でホントにいいの?」と。