2025年3月、〈ルイ・ヴィトン〉がビューティライン誕生をアナウンス。メイクアップアーティストのパット・マクグラスがコスメティック部門のクリエイティブ・ディレクターに就任し、めくるめく美の世界を表現する。
💅🏽BEAUTY
「ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン」と始める新たな旅
待ちに待ったビューティラインが誕生

スタイルを表すという点で、メイクアップは服と同じくらい重要な言語だ。〈ルイ・ヴィトン〉のランウェイでもそれは明白で、毎シーズン、意志を宿したリップカラーやアイメイクはコレクションの物語を伝えてきた。
「ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン」と名付けられた新ラインのコスメティック部門を率いるのは、20年以上〈ルイ・ヴィトン〉のショーを担当してきたメイクアップ・アーティストのパット・マクグラス。色や質感を大胆に使い、ポップで斬新な表現に挑戦してきた人だ。多くのデザイナーやブランドと協働し、2015年からは自身のブランド〈パット・マクグラス ラボ〉も手がけている。「ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン」のプロダクト詳細こそまだ明かされていないけれど、〈ルイ・ヴィトン〉らしい職人技が、マクグラスの感性を丁寧に形にしていくのだろう。

そもそもトランクケースの製造から始まったメゾンには、美容文化と深いつながりがある。今も昔も、ビューティアイテムは旅の必需品だ。〈ルイ・ヴィトン〉の歴史を紐解くと、化粧品や香水瓶を大切に運ぶためのケースが幾度も登場する。1920年代には、パウダーコンパクトやブラシ、鏡といったツールも作られているのだ。
時代が移っても、好きな色やテクスチャーで顔を彩るときの高揚感は変わらない。メイクは、ある意味では服よりも、親密でパーソナルな表現方法だ。毎朝、私たちは鏡の前で新しい自分に出会う旅をする。その道を一緒に拓いてくれる製品が、「ラ・ボーテ ルイ・ヴィトン」から現れるはず。
Text_Motoko KUROKI