よく私のところに来る恋愛相談であるのが、
「彼の気持ちが分からない!」「好きなのかそうじゃないのか」
「付き合う気があるのかないのか」「はっきりさせたいから問い詰めたい!」という鼻息の荒い状況。
確かに、聞いてみると、気があるようなそぶりで、デートは数回、何ならキスやらハグやら、その先のもにゃもにゃなこともあったりして、だけど、付き合ってるような感じではない。距離を詰めていこうとすると、なんだかふわっとかわされる…みたいな、まさに「生殺し状態」。
それはもう、首根っこひっつかんで、「いったいどういうことなのよ?白黒ハッキリつけんかーい!」とぐらぐらさせたくなる気持ちもわかります。
でもね、ここに、恋愛における基本的な男女の意識の差があると思う。
簡単に言うと、「白黒つけたい女」と、「グレーが好きな男」です。
女の子は、つねに安定を求めます。「お付き合い」という関係に持ち込んで、確約された立場で、
毎日「おはよう」「おやすみ」をメッセージし合い、週末ごとの予定を立て、シーズンごとに楽しいイベントを企画したい。
毎日「愛してるよ」「君だけがナンバー1!」と言ってほしい。
そういう、「自分だけが特別」感、「愛されてる・大事にされてる」感が、女子を安心させ、キラキラさせ、幸福にしてくれる。
「私たち、いつもつながってるよね」っていう感覚が大事。
ですよね?その究極の形が、左手の薬指の輪っかなわけでしょ?
でも、男性はちがう。
恋愛と言えば、ドキドキハラハラする部分が一番美味しい!と思うのが男子。
「俺のこと好きなのかな?」「いや、そうじゃないかも!」「ああ~どっちだか分からないから気になる~~!」
と悶えることで、より恋愛気分が盛り上がる。
そもそも、何か難しいものを攻略して、獲得した!ということでより達成感を得ることが多いのが男性なので、恋愛も、がんばって相手にアプローチして、振り向かせるまでが一番燃える。
つまり、男性にとって、恋愛の初期の、どっちつかずな関係、つまり、「グレーな関係」が一番、「恋してる!」って実感できる。要するに、「萌える」んです。
逆に、もう付き合おうってなって、連絡を定期的に要求され、会うこともルーティーン化してしまうと、
急にテンションが下がってしまう。常時つながってる感じが、常時つながれている感じに思えてくる。
そもそも、男性は、一人でも多くの女性にモテたい生き物です。
夢は、自分のことを好きな女性だけを集めて「オレ牧場」をつくること!とか妄想するくらい、みんなに愛されて、ちやほやされているのが理想。
職場の女の子にも、得意先のおねーさまにも、定食屋のおばちゃんにだって、愛されたい。
精子をできるだけ多くばら撒きたいのが男の本能ですからね。もうしょうがないんです。
だから、一対一の関係に落ち着いて、理屈上もうほかの女子にちょっかい出せないとなると、案外ひるむ。
もうちょっと自由にフラフラしていたいな、と思う。
できれば、まだまだフリーでいて、気になるあの子とデートして、無理めだけど素敵なあの子にもアプローチして、それから、俺を好きなんだろうあの子にも、色よい態度でキープしておきたい!とか思うもの。
そんな男性が、グレーな関係をいいことにフラフラするのは、もうしょうがない。
一方女性は、そういうの、ダメですよね。そりゃ、中にはフラフラしたい女子もいるでしょうが、基本的には、相手の好意がどこまでなのか、本気なのかどうか、見極めたいですよね。
それは、安定した状況下で子供を産みたい女性の、これまた動物的本能だと思うんです。
女性は、白黒つけて、ダメなものを振り落としたい。本気じゃない男に関わるリスクを減らしたいんですね。
でも、男は、グレーが大好きだから、本音では、白黒つけろと迫られるのが苦手なんです。
だからね、恋愛初期では、女性は、白黒つけたい気持ちはぐっとこらえるしかないんです。
本気じゃなかったらどうしよう?とか、早く両想いって確認して、付き合って、安定した楽しい関係になりたい!とか、
はやる気持ちを押さえ、男性のテンポに合わせてみる。
いったん、そのグレーな関係につきあってみる。何なら、楽しんじゃえ。
男はね、ハッキリしない関係でこそ、気持ちが盛り上がるんだから、それを利用しちゃえばいいんです。
こっちもグレーな態度で、「さああなたのこと好きかしら?どうかしら?」と
ヒラヒラ飛んでくチョウチョのように。くっついたりはなれたり、軽やかに。
グレーな関係を楽しみましょう。
会いたい気持ちもちょっとこらえて、あえて会わない期間を設けてみたり。
そうすると、その間に、彼のほうが勝手にもり上がり、軽い気持ちだったものが、本気の恋に燃え上がったりするんです。
グレーな関係は、お互いにとって、効果的な恋の助走期間になるんですよね。
恋愛で白黒つけるって、無粋じゃないですか。
人間て、そんなにハッキリ「好きだ」と「嫌いだ」に分けられない。
まだ相手のことを知っている最中で、「好きになりかかってる」とか、「気になってるけど、この気持ちは何!?」状態だったりする。
そういうまだグラグラに崩れやすい状態で、「どっち?どっち!?」と揺さぶっては、固まるものも固まりません。
恋が育って、大きな恋、激しい想いになるには、それを育てる環境が大事。時間が大事。
まだ育ちきってないものを、早めに見極めようと焦るから、失敗するんです。
もしもいま、好きな男性がのらりくらりグレーな態度だったら。
「どっちだー!」とギリギリせずに、そのグレーに乗っかりましょう。
グレーにはグレーでお返しです。
相手の中の恋の芽に栄養を上げて大きく育てる気持ちでね。
ハッキリ勝敗の分かってないものにこそ、男性は萌える生き物だとお忘れなく。