昔から、私が恋愛において肝に銘じていることが一個あって。
それは、「別れたくないなら、『別れる』って言うな」ってことです。
たとえば、彼と喧嘩する。
大好きなのに、彼は私の言っていることを理解しようとしない!
もっともっと大事にしてほしいのに!もっと一緒にいたいだけなのに!
もしくは、大好きな彼に気になる女の影。
何?浮気なの?私のこと、本気じゃなかったの?結婚する気ないの?
そんなときに、つい口をついて出るのが、「じゃあもう別れる!」です。
ほとんど衝動的に。思ってもない言葉が口から飛び出る。
はい、私、若い頃にすごーく好きだった彼と喧嘩するたび、この言葉をぶつけてました。
「もう別れる!」とも言ったし、「別れたいってこと?」って疑問形でもぶつけたし、
「そっか、もう別れるしかないんだね」と涙ながらにつぶやいたりもあった。
ほんとしょっちゅう口にしてましたね。
皆さんも振り返ると、そんなことしてる経験ないですか?
でもね、これホントよくないです。危険です。
言霊です。
「別れる」って言葉を一度でも口に出すと、あら不思議。
二人の関係は別れに向かって走り出すんです。たとえ本気で別れたいんじゃなかったんだとしても。
確かに、「別れる」って言葉は効果てきめんです。
その言葉を聞いた彼はビックリして、あわてます。そして、大急ぎでなだめたり、機嫌を取ったり、話を聞いてくれたりします。なんなら、自分の行動を反省して、
「もう二度としないから!」って頭も下げます。
でもね、たとえ一度だったとしても、「別れる」って発想が自分や相手に浮かんでしまうことがいけないんです。
人間は、無意識下に刷り込まれた発想に沿って、行動を左右される生き物。
「別れるかもしれない」「いずれは別れる運命の人だ」って心のどこかで思っていると、たとえそれを何よりも恐れているんだとしても、無意識の力が作用して、
自分の取る行動一つ一つが、その「別れ」という未来に向かい始める。
たとえば、私がいっつも「別れる」「別れる」って言ってた20代の頃の彼ですが。
ものすごーく好きだったのに、私は彼との明るい未来なんか一個も描けませんでした。
いつ別れるんだろう?それは明日かも知れない。1か月後かも知れないって、いつもビクビクしてました。彼がどれだけ自分を好きか、測るようなことばっかして。
彼に会うと、今しかいっしょにいられないのに、どうして私をもっと大事にしてくれないの?と悲しくなっていました。
私は、まさに、自分の「別れる」っていう発想、言葉によって、すでに別れることを運命づけられていたようなものです。
取る行動、取る行動、すべてが別れに向かっているようなものでした。
絶対に別れたくないと思っていたけど、誰よりも私自身が、彼と末永くつきあっていく未来を信じられなかったんですね。
彼もきっと同じです。
何度も何度も私に「別れ」と言う言葉を切り出され続けて、彼の中に、
「この子とはいつか別れるんだろうな」という発想を生んでしまっていたと思います。
最初はびっくりして反省した彼も、だんだん、「あーまたか。」「はいはい、そんなに言うなら別れようか?」ってなってしまう。まさに、「別れる別れる詐欺」。
別れると思って付き合っていれば、そりゃ、別れに向かう行動も取るでしょう。
人間の無意識にとって、自分の頭の中で考えたことと、実際に起きたことの区別がつきません。強く頭で念じている考えを、現実のものにするために、行動を始めてしまいます。
「別れる」という言葉、発想が、頭の中にポン!と浮かんだ時点で、
そこから別れに向けた無意識行動がスタートしてしまうということです。
簡単に言うと、「暗示」にかかっているようなものですね。
おっそろしいですね~!
これ、自分で言い出さなくても、他人に言われた言葉で暗示にかかっちゃうこともあります。
私は昔からものすごく騙されやすいっていうか、信じやすいっていうか、要するに暗示にかかりやすい性質なんですが。
たとえば、すごく語調の強い友達に、「あの人とあなたは合ってない。きっと続かないよ」
なんて言われると、「うそだ!」っていくら自分で否定しても、心の中に刺さったとげのように、いつまでも気になってしまって、結局別れてしまったりするんです。
まさに、呪いをかけられるがごとし!
人間て、ホントに、自分の頭の中に浮かんだ発想、考えに、意外にもすごく左右される生き物なんですね。
だからね、もしもすごく大好きな人と付き合ってたり、結婚してたりする人は、
どんなに頭に来ることや、悲しいことがあって、つい口が滑りそうになっても、
絶対に、「別れる」という一言だけは口にしてはいけません。
もし、そんな言葉を切り札に使っているとしたら、今すぐやめてくださいね。
別れたくないなら、絶対に口にしちゃいけないのが「別れる」という言葉です。
本当に口に出すとしたら、その前に心に問いかけてください。
「本当に私、このまま別れていいんだっけ?」って。
もし心のどこかに、少しでも、「別れたくない!だって好きだもん!」という気持ちがあるなら、「別れる」と言う言葉をぐっとこらえて、別の言葉で言い換えましょう。
「距離を置こう」とかもいっしょですから気を付けてね。
こっちはほんのちょっとだけ距離を置くつもりが、取り返しのつかないくらい果てしない溝が生まれてしまうこともしばしばです。
私のところに相談を送ってくれる人もこのパターンすごく多いです。
全然別れたくないのに、怒りにまかせて「別れよう」って言っちゃって、あとから撤回したけど、もう彼がかたくなになっていて、取り返しがつかなくなってしまっていうことが。
男の人は、ギリギリまでは我慢するけど、ある一線を越えると許容量を超えてしまって、
「もういいや、別に」ってなっちゃいますからね。
そうなったら、いくら泣いて謝っても聞き入れてもらえないことを覚えておいて。
何にせよ、カッとなって、相手を脅すような言葉は禁物です。
こっちの怒りを伝えて、反省してもらうのに、一番刺激が強い言葉を使いたくなる気持ちはわかるけど、一時の気まぐれだったことが、取り返しのつかない事態になってしまうこともあるんですから。
どうかお気をつけて。
言葉って言うのは案外、パワーを秘めているんですよ。