青とピンクが混じり合う美しいサンセット。心地よさそうに風になびくヤシの木。ここはサンタモニカでしょうか。マイアミでしょうか。いいえ。答えは、東京からわずか45分でたどり着けるご近所リゾートこと、熱海です。一時は観光客も激減し元気を無くしてしまったはずの熱海が、近ごろで再びホットなスポットに生まれ変わりつつあるとか。この目で確かめるべく私たちは、温泉、海、アートを求め、旅に出かけました。ファッションブランド〈kudos〉デザイナーである工藤司さんの写真とともに、熱海探訪記をお届けします。
温泉&アートでエネルギーチャージ!東京から45分のリゾート熱海探訪記
あの徳川家康も愛した熱海の名湯
駅弁と缶ビールを買って、こだまに揺られること45分。熱海駅に到着したら、その足で温泉へ。駅から10分ほど歩き、全国の温泉ファンにも名の知れた老舗温泉「日航亭・大湯」を訪ねました。ここはかつて徳川家康が愛した温泉として、“出世の湯”とも呼ばれているそう。露天風呂に浸かりながら青い空と庭の景色を眺めれば、しばらく無心になれます。入浴後は裸足のまま、畳の休憩所で至福の時間。テレビを見ながらくつろげる和室がある銭湯や温泉って、最高ですよね。温泉でリフレッシュできたので、本日のメインイベントへ向かいます。
密かに高まるアートの熱
この日のお目当ては、写真家の川島小鳥さん、ginzamagでもおなじみの画家・小橋陽介さんによる「飛びます」展。会場は海からすぐの場所にある、古い雑居ビルの6階。熱海の海や東京の街中で撮影された川島さんの最新作と、豊かな色彩とダイナミックなタッチで描かれた小橋さんの絵画が、空間のいたるところに展示されています。昼と夜では窓から差し込む光などが変化するので、訪れる時間によって違う表情を楽しめそう。(展示は〜27日まで開催中)
川島小鳥さん(手前)と小橋陽介さん(奥)。2人が着用している「飛びます」スウェットは残念ながら非売品だそう。
夜にかけて、会場には途切れることなくお客さんが。東京からも続々と仲間たちがお祝いに訪れていました。だいぶカオスな状態に。
川島さんのアイコンの一人、太賀さんご本人を発見!今回の展示にももちろん登場されています。お隣は、いつもリュックを前にかけている友人の野崎くん。
View this post on Instagram
会場で先行販売されている作品集『飛びます』は、クリームソーダの表紙が目印。ページをめくるたびに何かを発見できる、エネルギーの詰まった1冊です。
View this post on Instagram
ステッカー、Tシャツ、トートバッグ、手ぬぐいなど、オリジナルグッズも充実。川島さん、小橋さんと共にセンス抜群のグッズを作っていたのは、熱海の憩えるお土産屋〈論LONESOME寒〉の店主・横須賀馨介さん。次回はぜひお店に行ってみたい!
夜もすっかり更けた20時過ぎに始まる、熱海恒例の花火大会。海辺まで歩いて、夜空に次々と打ち上がる美しい花火を見物しました。昭和27年にスタートした「熱海海上花火大会」は、夏だけでなく、春夏秋冬、年間15回以上も開催されているというから驚き。花火に興奮し過ぎて、スマホに残っていたのはブレブレの写真のみ…。
温泉。海。花火。今はアートという楽しみも加わった熱海。懐かしい気持ちになれる、レトロな喫茶店や旅館もたくさん。1年中、夏休みのような気分で過ごせることが、この街の最大の魅力なのかもしれません。
本日の終着地は、商店街の〈メキシコ〉というカラオケスナック。3000円で歌い放題飲み放題という明朗会計!
メキシカンハットやカウボーイの人形など、レトロな配色の内装も可愛らしいお店。
温泉街のカラオケスナックは日本の宝。楽しい夜はあっという間にふけていきます……
すっかり二日酔いの翌朝。宿泊していた旅館「龍宮閣」からのオーシャンビュー。
昭和レトロな宿だけあって、温泉もかなり年季が入っていました。ピンクとブルーのタイルが湯気に包まれ、なんだかドリーミーな空間に。
お風呂の一角には、不思議なオブシェやタイル画も。
午後は熱海のパワースポットである、来宮神社へ。“酒難除け”というお守りは、ついついお酒を飲みすぎてしまう友だちへのお土産や、自分への戒めにぴったり。
樹齢2000年を越える御神木の周りを一周して、エネルギーをチャージ!明日からもまた頑張れそう!