父が亡くなった通夜の夜に、母が「通夜ぶるまい」として目玉焼きを振る舞い始めたことから、家族の思い出が鮮明に蘇り、やがて父の秘密も明らかになっていく。脚本は、本作で長編監督デビューとなる常盤司郎自身の体験を基軸にした、完全オリジナル。家族は他人の集まりだ。愛情がゆえ、かっこもつけるし、ときには嘘もつく。観ている間中、思い浮かべずにはいられない。わずらわしいけど愛おしい、いろんなかたちの家族のことを。
新宿ピカデリーほかにて全国公開中。©2019『最初の晩餐』製作委員会
29歳の英語教師スティーヴンスが、人づきあいが苦手な高校生ビリーと、優等生キャラのマーゴット、陽気なサムとともに演劇大会に参加する週末を描く。先生に恋心を抱くビリーを、『君の名前で僕を呼んで』でブレイク直前のティモシー・シャラメが、先生役を実力派女優リリー・レーブが演じる。タフな大人の女性だって、人生や孤独に悩んで、当たり前に混乱する。純粋な心の触れ合いが、身体の触れ合いよりも人を救うことだってある。
新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次公開中。©2016 Young Dramatists, LLC. All Rights Reserved.
『ぼくの好きな先生』『パリ・ルーヴル美術館の秘密』などで知られる、現代ドキュメンタリーの名匠ニコラ・フィリベール監督の最新作。自身がICUに運ばれ一命を取り留めた体験から、看護師とともに映画を作ろうと決意。年齢、性別、出身もさまざまなパリの看護学校の生徒40人の150日を追った本作は、“誰かのために働くこと”を選んだ看護師の卵たちの失敗や葛藤を映し出す。誰だって初めは1年生で、成長できるということを教えてくれる作品。
新宿武蔵野館ほか全国順次公開中。©Archipel 35, France 3 Cinéma, Longride -2018