3月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
働くのはなんのため? 片瀬チヲル『カプチーノ・コースト』|G’s BOOK REVIEW

『カプチーノ・コースト』
片瀬チヲル
(講談社/¥1,650)
ある事情で2カ月休職している26歳の森長早柚は、休みの半分が過ぎたところでビーチクリーンを始める。トングと専用の袋を持ってあらゆるゴミを拾い、海にやってくる人々に出会い、一日一日が過ぎるのをカウントする早柚。自分の行動が「為した」ことについて考える日々を終え、職場へと戻るが──彼女の仕事の内容が明かされるラストに小さく衝撃を受ける。働くのは生活のため、と割り切る難しさを考えずにはいられない。
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Recommender: 北村浩子
ライター、フリーアナウンサー。殺し屋の老女が主人公の『破果』(ク・ビョンモ著/小山内園子訳/岩波書店)もすごくよかったです。