12月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
自分が稼いだお金でおやつを買う。『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』
12月のG’s BOOK REVIEW
『焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史』
湯澤規子
産業革命の時代、工場で働く女性たちにとって間食や嗜好品は「自らの力で生きていることを実感できる喜び」を象徴するものだった。自分が稼いだお金でおやつを買う。それがいかに彼女たちを力づけたか──日本とアメリカの女性労働者たちの実像をクロスさせ、社会参画への権利の獲得を「日常茶飯」という視点から繙いた人間交流史。『若草物語』のオールコットが労働文学を書いていたことなど、知られざるエピソードも満載。
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Recommender_北村浩子
今月印象に残った一文。《工場の窓には新聞の切り抜きが貼られていて、それを女工たちは「窓の宝石」と呼んでいる》(『焼き芋とドーナツ』より)