1月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
芥川賞受賞後第一作の短編集『共に明るい』
1月のG’s BOOK REVIEW
『共に明るい』
井戸川射子
早朝のバス車内で女性が突然喋り出す。幼かった息子に起きた出来事を語る。野鳥園のベンチで隣り合った小学生と出産したばかりの女性が言葉を交わす。マッチングアプリで知り合った(実は浮気者の)恋人の家、嵐で足止めされた高校の修学旅行、電池の傷を探す工場の作業場。市井の人々がそれぞれの場所でその時々の心を口にする。詩人でもある著者の5つの短編。散文と韻文の間を行き来するような文章のリズムが憑依する。
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Recommender_北村浩子
今月印象に残った一文。《自分の目の前では、悲しいことが起こってほしくないっていうのがあるよね》(『共に明るい』より)