娘・純子(河合優実)が若くして亡くなることを知ってしまった父・小川市郎(阿部サダヲ)。父娘の愛情が伝わってくる『不適切にもほどがある!』(TBS金曜夜10時〜)6話を、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが振り返ります。5話のレビューはコチラ。
うちのオヤジを小バカにしていいのはな、娘の私だけなんだよ!
娘・純子(河合優実)が若くして亡くなることを知ってしまった父・小川市郎(阿部サダヲ)。父娘の愛情が伝わってくる『不適切にもほどがある!』(TBS金曜夜10時〜)6話を、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが振り返ります。5話のレビューはコチラ。
そう遠くない未来に終わりが来ると知っているからか。いや、そうでなくても、このドラマの最初の頃から彼女は魅力的だった。けれど、ここに来てまた一段と純子(河合優実)がかわいい。
自分と娘・純子が9年後に阪神・淡路大震災で亡くなってしまうことを知った小川市郎(阿部サダヲ)。娘に会ったら顔に出てしまう、となかなか令和から昭和に帰ろうとしない。
タイムスリップなんかしなければ、自分と娘が早く死んでしまうことを知らずに済んだ。けれど市郎は、
「死ぬのがマイナスなんじゃなくて、むしろ大人になった渚っちにこうして会えたことがプラスなんだ」
と、本来であれば幼いうちに別れたはずの自分の孫・犬島渚(仲里依紗)と会えたことをポジティブに解釈し、昭和に帰る決意をする。
サカエ(吉田羊)のスマホをこっそり持ち出して電話をかけるほど父の帰りを気にしていた純子。けれど実際に市郎が帰ってきたときは、なんでもなさげに会話する。でもその奥に嬉しさがにじみ出ている、その表情がなんともいい。新しいスーツを自慢する父に「いいんじゃない?」とぶっきらぼうに言いながらほほえむ純子。父に抱きしめられて「うん」とだけ言う純子。その姿がかわいくて、愛おしい。
Edit_Yukiko Arai