俳優を輝かせ物語を彩る衣装は映画の見どころ。日頃からコーディネートを提案する16名が認めるコスチュームが魅力的な一本を教えてもらった。連載 #ファッションで選ぶマイベスト映画 より。
🎨CULTURE
スタイリスト飯島朋子が選ぶ、衣装が魅力的な映画『TAR/ター』
ファッションで選ぶマイベスト映画vol.06
『TAR/ター』
(22)
引き算の美学が生んだ
凛々しさに息をのむ
「映画館で観た作品で、個人的2023年のベストワン。もともとケイト・ブランシェットが好きだというのも大きな理由ではあるのですが、なによりも、彼女が着用するものすべてが私のタイプだったんです」
ベルリンオーケストラで女性初の首席指揮者に任命されたリディア・ターの光と影を丹念に綴った。
「普段着であるシャツのレイヤードの仕方や、演奏会でタクトを振る時のタキシード姿。スクリーンに映るターのどれもが二重丸!オーソドックスな組み合わせに、スター街道を駆け抜けるパワーの強さを感じました。感化されて、彼女をオマージュしたファッションページをディレクションしたほど。配信が始まるとすぐに観返しました。みごとに射抜かれていますね」
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飯島朋子
いいじま・ともこ>> よくチェックするのはサスペンスや警察もの。ただし、予告を観て興味を持った作品はジャンルを問わずに鑑賞をする。
Text&Edit_Mako Matsuoka