俳優を輝かせ物語を彩る衣装は映画の見どころ。日頃からコーディネートを提案する16名が認めるコスチュームが魅力的な一本を教えてもらった。連載 #ファッションで選ぶマイベスト映画 より。
🎨CULTURE
スタイリスト森上摂子が選ぶ、衣装が魅力的な映画『パーフェクト・ケア』
ファッションで選ぶマイベスト映画vol.08
『パーフェクト・ケア』
(2020)
パワフルな内面を映す
原色の服とワンレンボブ
表向きは完璧なケアを提供する法定後見人だが、裏ではドクターや介護施設と手を組み高齢者の資産を合法的に搾りとっていた。ゾワゾワする物語のヒロインであるマーラ(ロザムンド・パイク)が素敵だと語る。
「タイトシルエットの赤いワンピース、イエローのスーツといったシンプルなデザインでインパクトのある色を着こなしています。それでいてモードな雰囲気なのは、金髪のぱっつんボブがもたらす作用なのかも」
隙のないスタイルが一転する瞬間にも、目が離せなかったそう。
「あるアクシデントによって、コンビニで売っていたスウェットに身を包まざるをえなくなります。カジュアルな服装に変わることで、大ピンチを乗り越えようと燃え上がる彼女の勇ましさが際立っていましたね」
🗣️
森上摂子
もりがみ・せつこ>> ドラマ、スリラー、コメディをよく観る。ジョーダン・ピール監督作とケイト・ブランシェットの出演作はほぼコンプリート。
Text&Edit_Mako Matsuoka