ファッションの来し方をたどると、そこには必ず、ユニークな魅力で人々を惹きつけてきたミューズたちがいる。流行の源となり装いの可能性を広げてきた輝く個性を年代ごとにピックアップ。今回は1970年代をおさらい。#時代を作ったおしゃれアイコンの歴史
🎨CULTURE
時代を作ったおしゃれアイコンの歴史 vol.2【1970s】
ヒッピームーブメントを経てより解放的に進化した装いを、多彩な才能たちが取り入れた。ロックやパンクを歌う女性ミュージシャンも存在感を増し、ステージがトレンド発信地に。
ファラ・フォーセット
Farrah Fawcett
1976年に始まったテレビドラマ『チャーリーズ・エンジェル』のシーズン1に出演し、ボリューミーな巻き髪と快活な笑顔で爆発的ブームに。作品内では、真っ赤なジップアップとフレアジーンズ、ナイキの〈コルテッツ〉という出立ちでスケートボード・クルージングを披露。アメカジの王道を体現した。
©ABC Photo Archives/Getty Images
パティ・スミス
Patti Smith
70年代のニューヨーク・パンクシーンを率いた歌手が見せたのは、自分らしい服装を貫く格好よさ。その定番は、スキニーパンツに白シャツ×ブラックタイ、Tシャツとライダースといったもの。「おしゃれ」でいようと特段気にせずにただ好きな服を選び着続ける姿勢自体が、この上なくアイコニックだ。
©Mirrorpix/Aflo
ダイアン・キートン
Diane Keaton
映画『アニー・ホール』（77）にて、〈ラルフ ローレン〉の男性用シャツにベスト、ワークパンツを自身でスタイリング。公私問わず、少年のような気どらないムードと大人の品をうまくブレンドした。写真のシンプルなグレールックも、絶妙なサイジングで彼女にしかできない仕上がりになっている。
©Ron Galella/Getty Images
デボラ・ハリー
Deborah Harry
70年代半ばにロックバンド「ブロンディ」を結成。リードヴォーカルを務め、プラチナヘアと真っ赤な唇に独特のパンキッシュな装いで一躍時代のカリスマに。黒もよく着たが、ヴィヴィッドカラーも得意。ライヴ衣装のショッキングピンクのドレスは、腕や胸元のストリングでフェティッシュな空気も漂わせる。
©Hiroyuki Matsumoto/Aflo
アリ・マッグロー
Ali MacGraw
モデルとして活躍したのち映画デビューし、『ある愛の詩』（70）や『ゲッタウェイ』（72）でアメリカのみならず世界の観客を虜にした。艶やかなワンレンロングがフォークロア調のアイテムにマッチ。膝下丈のスカートや柄ブラウスなど、当時の流行を上品に身につけた写真は今見てもとてもモダン。
©Evening Standard/Getty Images
ジェーン・バーキン
Jane Birkin
ロンドンからパリに移って以降は、歌手、女優の顔を持つ“フレンチロリータ”として愛された。華奢な体型に似合うものを熟知し、真っ白なTシャツとデニムといった服装で自然体な魅力を放った。荷物がたくさん入るからという理由で使っていたかごバッグは、彼女らしいエフォートレス・カジュアルの象徴。
©Gamma Rapho/Aflo
Text&Edit_Motoko Kuroki Cooperation_Shin Asahi
