2024年9月7日(土)から10月16日(水)まで、米国人作家メイシャ・モハメディの個展『yesterday I was a tiny tube of toothpaste』が開催。麻布台ヒルズ内「Pace ギャラリー」のグランドオープンを飾る展覧会となる。
注目の「Pace ギャラリー」オープニング展はメイシャ・モハメディの新作!
気鋭の米国人アーティストの個展に合わせ、スケッチブックの複製も刊行
アメリカ出身のメイシャ・モハメディは神経科学の研究者の卵だった。彼女が絵を描き始めたのは、日本での留学中のこと。異国での日々のなか孤独を埋めるために手にしたのが絵筆。そこから、物語性を持った抽象表現が探られていく。
幼い頃から日記をつけ続けていたモハメディ。今回の展示でも、日記、ひいては日々の記憶が創作の源となっている。過去に見聞きしたことや感じたことが混ざり合って一つの精神世界を構築。モハメディはそれらを抽象的なモチーフに変換し、繋げていく。キャンバスに広がるのは、顕微鏡を覗いたときの光景のような、不思議な、しかしどこか規則的なパターン。繊細な筆で引かれる線もあれば、絵の具をつけた手をキャンバスにくっつけるなど偶然性によって生み出されたフォルムもある。
今回の個展には、多くの新作が登場。絵画は認識と経験の地図として機能し、色や形が独特のテンポで配置されているさまについ見入ってしまう。タイトルをよすがにして、絵の中に潜んだストーリーを探るのも楽しい。
また、開催に合わせて、作家のスケッチブックを複製した本が刊行される。頭に浮かんだ言葉、フレーズ。着想源となる写真や雑誌の切り抜きに、画面に載せたい色。それらが詰まったスケッチブックは、一枚の絵という料理を作り上げるための「レシピ」でもある。モハメディの創造力が詰まった一冊には、批評家のブライアン・ディロンが論考を寄せる。
メトロポリタン美術館やロサンゼルス郡立美術館、マイアミ現代美術館等にも作品が収蔵されるモハメディ。自由で無限の感覚を持つその世界に、没入してみたい。
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【メイシャ‧モハメディ『yesterday I was a tiny tube of toothpaste』展】
会期_2024年9月7日(土)〜10月16日(水)
*月曜休廊
会場_Pace ギャラリー
住所_東京都港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザ A1-2F
営業時間_11:00〜20:00
Tel_03-6681-9400
*入場無料
Text_Motoko KUROKI