国内外のクラブシーンで個性を光らせるフィメールDJ。音楽の原体験とパフォーマンス、そしてそれぞれが楽しむ東京の夜。DJ Lociとして活動し、イベントオーガナイズも手がけるイーチン・ヤンが話を聞いた。
DJとのカンバセーション01 nasthug
ジャマイカと日本にルーツを持ち、幼少期からレゲエを聴いて育ったというナスサグ。ニッキー・ミナージュのパフォーマンスに衝撃を受け、19歳でDJの道へ。昨年末の「BOILER ROOM」でのパフォーマンスも話題となり、東京のクラブシーンに欠かせない存在だ。
──毎週末、ピークタイムにプレイする中で、「DJ」という役割をどう捉えていますか?
「DJはエンタテイメント。だからこそ、趣味の延長線上で取り組むのはあまり好きではなくて、ビジネスだと思って真剣に向き合っています。尊敬するDJを思い浮かべた時、私と彼らの差について考えると、モチベーションなんですよね。シーン全体を盛り上げていくために、まず自分の意識を高く、プロとして動いていくことが大事。トライする癖をつけて、どんな現場にも臨んできたからこそ、nasthugらしさが築けた気がします」
──情報が整理されたSNSからもプロ意識を感じます。逆にプライベートの過ごし方は?
「DJが100なのに対して、プライベートは0(笑)。ドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』みたいに、もうひとつの顔って面白いですよね。普段ロー・キーだからこそ、ステージでは振り切って自分を表現できるのかもしれません」
──国内外、さまざまなパーティを経験することで、nasthugさんがあらためて実感したことは?
「プライド月間に新宿二丁目でプレイしたり、海外でもLGBTQコミュニティのパーティに呼んでもらうことが多くて、めっちゃ楽しかった! どの国、どの場所に行っても面白いって思われるのがベスト。DJを通して知らない世界とつながっていけたらいいですよね」
──いつでもフロアはすごい熱気ですよね。“サグピ(ファンの総称)”という言葉が生まれたのは?
「“すきぴ”と“サグ”をかけて、“サグピ”(笑)。みんなが盛り上がると、私のDJギアも確実に上がる(笑)!いつだってクラウドの一員でありたいし、失恋した子に失恋ソングをプレゼントするみたいな。私はそういう人間なの!」
Photo_Taisuke Nakano Interview_Yiqing Yan Text&Edit_Sakiko Fukuhara