かの名映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち 』でロビン・ウィリアムズ演じるカウンセラーが恋愛に悩む主人公に「君も彼女も完ぺきじゃない。だが問題は君らが互いにとって完ぺきか、それが大事だ」とアドバイスするシーンがある。
夫婦だって、そうだ。
まるでパズルのピースが合わさったように巡り会い、共に過ごしているわけだが、いつのまにか各々が凹と凸の組み合わせであるということを忘れ、何か夫婦というひとつの球体のようなかたちで存在しているように囚われる。そして喧嘩や困難に直面したときに思うのだ、やはり2人は違うパズルのピースだということを。
すれ違って当然。それだから夫婦は面白いと言えるだろう。
そんな2人それぞれのストーリーに焦点を当て、夫婦の輪郭をはっきりさせようというプロジェクトが、ライターの梶山ひろみさんとフォトグラファーの岩本良介さんが主宰する「quilt(キルト)」だ。現在、WEBでオーダーを受け付けている。
ページや写真の数で値段が変わる。¥120,000(税別)から。制作は2ヶ月程
“夫婦”といっても、ふたりが歩んできた道はさまざまだ。
梶山さんはインタビューを通して、2人がこれまでどんなふうに学び、働き、考えてきたのかというのを「夫の冊子」「妻の冊子」2冊のブックレットに。また美しいグラッフィックで「ふたりの年表ポスター」という形にまとめてくれる。
「自分たちが見るものだから、本音を語ってくれる」と梶山さん。優しく、朗らかに親密な話を聞きだしてくれるのは雑誌等で活躍するプロのライターだからこそ。働いてる姿や家事をしている姿、日常が写真に残るのも素敵だ
「ふたりの年表ポスター」は壁に貼り出せば、お部屋のインテリアにも
出会いから今日に至るまでの夫婦の想いを綴るのは「ふたりの冊子」。
普段恥ずかしくて言えないような、互いへの想い、感謝の気持ちがいっぱい。2人が困難にぶち当たった時に、ぜひ手にとってほしい
冊子は、アートディレクターに依頼したこだわりのボックスに収まる。2種から選べる。見た目が美しく、宝物のよう
人の話を聞くのが好きで、大学を卒業してライターとして働くようになった梶山さん。「私、インタビューがもっと身近だったらいいと思うんです」と話す。
「言葉を交わしながら”今考えてることを記録する”ってとても大事なこと。なんとなくわかった気になっているようなことを頭のなかに落としたり、行き詰まった時にその時を冷静に振り返ることができれば、思わぬ発見があるかもしれません。
"自分はこうだったんだな"という確認作業と共に人生を進めると、どんどん自分を更新できるとも思うんです。女優さんやアイドルだったら色々な人が取材してくれて、その都度、私は今こんなこと考えているんだなと振り返れるけど、一般の人はそんな機会がないじゃないですか。だから、みんなの人生の記録係になりたいな(笑)と思います」
“あなたの人生をかたちにしたい”という思いから、「quilt」を立ち上げた。
自分の人生を振り返りたい、と思うタイミングは誰にでも訪れるもの。「私の人生なんて」と思わず、未来の自分達へエールを送るつもりで、今を”記録”してみるのはどうだろうか。
結婚を控えた人はもちろん、結婚記念日にも良いだろう。そしてもっとも身近な夫婦といえば「両親」ではないだろうか。心温まるギフトにも最適だし、自分のルーツを知るヒントにもなるかもしれない。
「quilt」おすすめです。
「quilt」
ライターの梶山ひろみとフォトグラファーの岩本良介が、インタビューと撮影を行い、夫婦ふたりの人生をブックレットにまとめるプロジェクト。2017年秋にスタート。現在、期間限定で特別価格でのオーダーも。12万円のライトコースが7万円、15万円のスタンダードコースが8万円に。詳細は http://quilt-for.com/news/
Photo: Kanna Takahashi Text: ginza