志尊淳×岸井ゆきの、W主演! 「究極の恋愛ミステリー」として鳴り物入りでスタートした水曜ドラマ『恋は闇』(日テレ 毎週水曜よる10時〜)1〜2話を、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが振り返ります。
意外に骨太?志尊淳×岸井ゆきの『恋は闇』1〜2話を振り返る
ミステリーだけじゃない、報道の現実に重なる主張に惹きつけられる

考察『恋は闇』1〜2話
現実に重なる
マスコミ報道のあり方
「『あなたの番です』『真犯人フラグ』の制作スタッフが送る究極の恋愛ミステリー」という触れ込みでスタートしたドラマ『恋は闇』。完全オリジナル作品となる今作の脚本は『こっち向いてよ向井くん』(2023年)『先生さようなら』(2024年、共に日本テレビ)、映画『余命10年』(2022年)などの渡邉真子が手掛ける。
情報番組のディレクター筒井万琴(岸井ゆきの)。毎月ゾロ目の日に起きている連続殺人事件を追う中で、週刊誌のフリーライター設楽浩暉(志尊淳)と出会う。被害者の右目にオレンジ、左目に青のコンタクトレンズが入れられているという共通点をいち早く嗅ぎつけ、この事件を「ホルスの目」と名付けたやり手の記者である浩暉は、万琴に共同戦線を張ろうと提案。最初は断る万琴だが、次第に彼に惹かれていく。
取材を進める中で、二人は被害者のキャバクラ勤めを把握する。事件に関係のないプライベートを明かすことで偏見が生まれると公表に反対する万琴に対し、浩暉は言う。
「人が相手によって顔を変えることなんてよくあるでしょ」「いつだって他人は人の人生の一部分しか知りようがないんだよ」「どれが正解じゃない。誰が語るか、それだけだよ」
続けて浩暉はマスコミの役割をこう語る。
「大衆を煽って盛り上げるんだよ」「興味を持続させて事件を忘れないようにする」「忘れられたら事件は終わる」
被害者のプライベートばかりが晒されるマスコミの報道のあり方と、その露悪的な報道にも一定の意義があるという言い分。『あなたの番です』(2019年)『真犯人フラグ』(2021年)のように、ひたすら事件の謎と伏線を楽しむミステリーものだと思って観ていたら、現実に重なる骨太な主張が展開され、ぐっと惹きつけられた。
Edit_Yukiko Arai