いい映画を観たはずなのに、「面白かった!」以上の感想が言えなくて辛酸を舐めたって人は意外と多い。そんな人のために、一歩踏み込んだ感想を考える上で役立つ視点と、それに基づくフレーズをどうぞ。これで明日から立派な感想家。vol.1はこちら。
🎨CULTURE
「面白かった!」以上の感想が言いたい。映画トークに花が咲くフレーズ vol.2
映画トークに花が咲く感想フレーズ vol.2
「どんでん返し」してたね
例えば『シャイニング』
映画には「180度ルール」というものがある。二人の人物の会話シーンなどでは、途中で画面上の左右関係が変わると観客の混乱を招くので、人物同士を結ぶ線の片側180度の範囲内から撮りましょう、というのがそれ。しかし、あえて360度で切り返し、観客に違和感を植えつける場合も。これが「どんでん返し」。有名なのがスタンリー・キューブリックの『シャイニング』で、主人公ジャックがホテルのトイレで給仕と話すシーン。まず手前から撮られるのだが、ほどなくカメラが反対にまわり、画面上の二人の左右関係が逆転。ジャックによれば、給仕はホテルの元支配人であり、狂った挙句に妻子を殺し、自殺しているらしい。「どんでん返し」で撮ると、まるで右にいるジャックが左にいるジャックに言っているようにも錯覚できることが、後半にどう効いてくるかはその目で確かめて。
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Illustration_Anri Yamada Text_Keisuke Kagiwada


