フォークアートに着想を得て新たな感性でものづくりをしている作家から、「暮らしを美しくする手仕事」という民芸の精神を宿すアーティストまで、これからのフィールドを切り拓く11組の作り手たちに注目しよう。#あたらしい民芸を生む日本の作り手たち
あたらしい民芸を生む日本の作り手たち vol.4
“瀬戸土産”として作るトーテムポールetc.

1.岩井俊之
“瀬戸土産”として作るトーテムポール
ひょろっと細身で軽やかで、とぼけた表情も憎めない。アメリカのトーテムポールに日本の郷土玩具のような親しみを感じ、蒐集し始めた岩井俊之は、やがて自ら制作も開始。その魅力を伝えるべく、非公式“瀬戸土産”として作り続けている。素材は住まいのある愛知県瀬戸市の間伐材など。右から_〈瀬戸トーテムポール スーベニア〉H15〜27cm ¥4,400/¥7,700/¥5,500/¥3,300/¥6,600(以上ますきち)
2.石黒雄大
スリップウェアに敬意を込めて
実は全てヤマザクラを用いた木の器。蒔地(漆塗の下地)を施し白や赤などの色漆で意匠をつけている。下2点は表面の色漆を線状に掻き取って模様を描いた作。着想源は民藝運動の陶芸家も夢中になった英国発祥の陶芸技法スリップウェア。実用の器だけど絵のように飾りたい。上_赤角皿 W19cm ¥13,200、中_楕円鉢 W12.5×D4.5cm ¥10,450、下_7寸白丸皿 φ20.5cm ¥18,700(以上石黒雄大)
3.根石美和
太古の土偶のようなおおらかさ
ニューヨークを拠点に活動する根石美和の陶器は力強く、生きもののように愛らしい。先史時代の土偶や書道、抽象表現主義の芸術からインスピレーションを得ているそうだ。思わず触りたくなるプリミティブな造形に、気持ちも空間もやわらぐ。右から_フラワーベース 〈small tail vase〉H8cm ¥14,850/〈文字ベース“星”〉H12cm ¥35,200/〈文字ベース“流”〉H16cm ¥46,200(以上ミルヴァレー ヤクモ)
Photo_Ayao Yamazaki Styling_Yuki Nakabayashi Text_Masae Wako
