No.341 / 2025年10月10日発売

MAGAZINE

「バンクシリーズ」を連れて旅に出たくなるビジュアルプロジェクト始動

〈FPM Milano〉のラゲージと行く秋の京都

PROMOTION

逞しく、たゆたう

〈ミズイロインド〉× 黒木華

〈ハーベスティ〉の交差するユニセックスな日常着

ハーベスティ,ペアルック,リンクコーデ,ファッション,岡山ブランド

〈コロンビア〉のアウターで街へ

おしゃれ、ときどき、ユーティリティ

雨や雪の日だって、お出かけを

〈エーグル〉のあったかアウター＆シューズで秋冬を楽しもう

2025年秋冬ウィメンズコレクションの注目ジャケットを羽織って登場

ローレン・サイが〈バブアー〉のアンバサダーに！

新定番〈プレミアム オールドスクール〉

木村カエラと〈Vans〉のセッション

新作スピーカーの音に酔いしれるパーティへ

一夜限りのサウンド体験。tokyovitaminとのコラボイベント『Marshall スナック』に潜入

「ココット・エブリィ」で、毎日をもっとおいしく。

長尾智子さんに教わる〈ル・クルーゼ〉の魅力

文太（大泉洋）「世界が俺を救ってくれたことなんて未だかつてない」

『ちょっとだけエスパー』2話イメージイラスト／まつもとりえこ（イラストでも全話振り返ります）

CULTURE

鮎美（夏帆）の「そうそう変わりきれない」感じに心当たりがある人も多いのでは？

『じゃあ、あんたが作ってみろよ』イメージイラスト（前編）／オカヤイヅミ

通りを眺める一等席

FOOD

劇団雌猫の“幕間におしゃべり” vol.05

LIFESTYLE

気になる色はどれ？

COLUMN

GINZA編集部レコメンド

ASAMI THE MOUNTAIN vol.2

ASAMI THE MOUNTAIN｜登山連載｜臼田あさ美さんとカネコアヤノさん

南Q太による最新作を期間限定で公開中

COMICS

これが私のスタンダード！SNAP vol.4

FASHION

NEWLY OPENED

シャラ ラジマ「オフレコの物語」

オフレコの物語

家入レオ「言葉は目に見えないファッション」

「自分をごまかさないで、正直に生きたい」家入さん自身が今感じる心の内面を丁寧にすくった連載エッセイ。

劇団雌猫の“幕間におしゃべり”

スニーカー愛が止まらない！

私と部屋

毎日22時に更新。タロット使いのJON（犬）が、あなたのために毎日リーディング。その日の「対策」を星座別にお伝えします。

JON（犬）の毎日占い「 今日を過ごすヒント」

占い師章月綾乃さんによる、12星座別月間占い。星の声に耳を澄ませれば、過ごし方のヒントが見えてくる！ あなたの現在地点と今月の運勢は？

章月綾乃「開運レター占い」

トップスドッグズ

臼田あさ美とカネコアヤノ、金時山へ⛰️

この秋冬こそ、定番をアップデート！

10月号発売中📕

特別編集ムック

Tシャツに似合う
夏のヘアアレンジ

🎥 MOVIE

〈Louis Vuitton〉
穂志もえか、旅路の途中

GINZA4月号

「アヤノちゃんは晴れ女だから、心配ないね！」。集合場所に到着するやいなや、そう言い切る臼田さん。この日、辺りは一帯に厚い雲がかかっていたが、幸先に不安はないようだ。「今日は自然のなかでリフレッシュしたいですね」と期待感を口にするのはカネコさん。早速シャッターを切り始める工藤さんとともに、3人の1日が始まった。
神奈川県の仙石原側から主に3つの登山ルートを有する金時山。公時神社の脇にある登山道から約90分かけて山頂へと登り、帰りは金時登山口を目がけてまた約90分の道のりを下りていくというのが今回の目算だ。境内で放し飼いされる十数羽のニワトリのけたたましい激励に背中を押されながら、登山口へ向かう。

臼田さん：Tシャツ¥3,465、パンツ¥14,300、シューズ¥18,700、バックパック¥19,800（以上アディダス テレックス｜アディダス コールセンター）03-6732-5461／その他＊本人私物。カネコさん：レインジャケット¥15,400、パンツ¥14,300、シューズ¥17,600、バックパック¥19,800（以上アディダス テレックス｜アディダス コールセンター）03-6732-5461
カネコさんは今回が人生2度目の登山。1回目は、今年5月に2人に誘われて一緒に登った、東京・八王子の小仏城山だったそう。「普段は登山やキャンプのようなアウトドアの趣味もないし、運動も日常的にやっているのは筋トレくらい。楽しみな反面、体力的についていけるかちょっと不安」とのこと。対して臼田さんは「あれだけ凄まじいエネルギーでライブをこなしているんだから、私よりは全然大丈夫だと思う」。その言葉通り、カネコさんの足取りは軽やかだ。

なだらかな道を進んでいくと、目の前に現れたのは「金時宿り石」と呼ばれる、大きな割れ目を持った直径およそ20mの岩。昔話で知られる金太郎が、眼病を患った際に、母と身を寄せた仮住まいの場所だったとのいわれを持っている。
かの有名な英雄を癒したというパワースポットを前に、話題はライブツアーや舞台公演中の体調管理について。「意識して体を気遣いすぎると、かえって体調を崩すタイプ。だからここ数年は、あえて何もしないようにしている」とは、年間数多くのライブをこなすカネコさん。お酒も無理には我慢せず、ストレスを溜めないことを意識しているのだとか。それには臼田さんも「たしかに。だって普通に生活している時が一番体調良いもんね。私も舞台の稽古や公演に入ると意識しがちだけど、いつも通りが一番なのかも」と賛同する。

金時山の宿り石。大きな割れ目は、1931年に突然できたもの。岩の割れる音は、仙石原の村中に響き渡ったとされている。

続けて、「あ、でもアヤノちゃんから教えてもらった苦くてマズい飴だけは食べている（笑）。喉の使いすぎや喉が痛い時に舐めるだけでスーってして」と臼田さん。カネコさんも「良かった！私も飴はツアーに欠かさず持っていっている。あとほかにも最近、良いスパイスティーを見つけたから、今度また紹介する」とのこと。全身を使って表現をする者同士、日頃からこうして体調管理のための情報交換もしているようだ。
次第に勾配が上がっていく。傾斜が強く、岩がゴロゴロ転がる急峻なゾーンへ差し掛かると、さすがに3人の足取りは重くなり、息も上がってきた。「階段はやっぱり苦手」とこぼす臼田さんに、「本当にきつい！心拍数が一気に上がった」とカネコさん。対する工藤さんは、「でもこれを乗り越えると、渋谷駅とか全然辛くなくなるよ（笑）。“あそこ登ったんだから”って。今日の成功体験が日常を支えてくれるはず」とユニークな形で2人を励ます。

一歩ずつ着実に踏み出すなか、ふとカネコさんの目に止まったのは、臼田さんが手にするトレッキングポールだ。

いいな！私も用意してくればよかった

あるのとないのじゃ疲れ方が全然違って。これは司君がくれたものなんだけど、もしATMでグッズを作ることがあったら、最初はトレッキングポールがいいな

いいねいいね。安くて数千円くらいの価格帯からあるし。まあ全然売れなそうだけど（笑）

フェスの会場とかで売ったらかろうじて売れるかも

そしたらさ、レーザービームを出せるようにして、アヤノちゃんのツアーグッズにもしてよ

と、こんな調子で無邪気に語らい、夢は広がっていく。

カネコさんの晴れ女パワーで（？）、少しだけ雲が切れて晴れ間が差した頃、下山途中の年配の登山客とすれ違う。挨拶を交わした後、「頂上まではあと5分くらいかな、もう一息だ、頑張れ！」と声をかけられると、肉体的な限界が近づいていた一行は「あと5分なら頑張れるね」と一気に沸き立つ。

臼田あさ美さんとカネコアヤノさん、金時山へ｜登山中の様子

しかし5分経っても、10分経っても、未だ頂上は見えてこない。「この急勾配の後、頂上っぽくない？」「あれ、違った」。そんな繰り返しの末に、「そういえば、前に一緒に小仏城山に行った時も、途中であと1時間といわれて、実際には3時間くらいかかった。歩くペースもあると思うけど、ある意味これも登山あるあるなのかも（笑）」と、カネコさんが悟りにも似た気づきを得た。
さらに10分ほど経た頃、一行はようやく頂上へ。あいにくの天気ゆえ、名物の富士見を楽しむことは叶わなかったが、遠くの麓を眺めたり、金時山名物“金太郎のマサカリ”と写真を撮ったりと、達成感と開放感に存分に浸る。「疲れたけど、頂上に来るとそれも一気に吹き飛びますね、気持ち良いです」とカネコさんもご満悦だ。

頂上からの眺望。天気が良ければここから富士山を見通すことができる。

頂上での楽しみは、やっぱり腹ごしらえ。金太郎茶屋に入って休憩することに。まずはビールで乾杯！思い思いにそばやうどんを啜り始めると、話題は（取材時）スタート目前に控えていたカネコさんの全国ツアーの話へ。

明日は大きなリハーサルがあって、週末には1公演目の名古屋が控えている。今回はホールツアーなんです

楽しみ、今回も絶対に行く！

あわよくば、地方で一緒に遊びたいな

何年か前に、司くんと一緒に、沖縄でのアヤノちゃんのライブを観に行ったよね。タイミングが合わなくて、ライブ後のアヤノちゃんとは会えずじまいだったんだけど

そうそう。全体の打ち上げがあって、残念ながら

あの時のライブ、最高だった！地方で見るのって、また東京とは違った楽しみがある気がする

ライブハウスでの公演だったからか、沖縄の人、ものすごくお酒を飲んでいたよね。ライブ中もバーカウンターに列ができていた（笑）

そういう楽しみ方をしてくれるのって本当に嬉しい。それに、沖縄の人たち、ライブ中の声援もめっちゃ大きいからいいんだよね。なんとなく異国でライブをしているような気持ちになる

和やかなお喋りですっかり体が回復してきた頃、気づけば外はザーザー降りの雨。足留めを余儀なくされるが、天候に大きな変化も見られず、下山を始めることに。

時に黙々、時にワイワイ、それぞれに歩を進めていく一行。辛かった登りと比べると、下りは不思議と一瞬だ。「あんなに土砂降りだったのに、アヤノちゃんが歩き始めたら、確実に雨が弱まってきた！」と臼田さん。あれよあれよという間に下りてきて、実際に金時登山口に着いた頃には、すっかり雨は止んでいた。

臼田あさ美さんとカネコアヤノさん、金時山へ｜ゆっくり下山している様子

今日も晴れ女の力を発揮してくれて、ありがとう（笑）

晴れさせるとまではいかなかったけどね。でも今日は本当に楽しかった！ヘトヘトだけど、良い気分転換になって、ツアーもいいムードでスタートできそう。またぜひ来たいし、もし臼田さんがいけない時には、代打で呼んでください！その時は、連載の名前を『AYANO THE MOUNTAIN』にして……

略称はATMのまんまだ（笑）。アヤノちゃんは今日から正真正銘のATM準レギュラー。リフレッシュしたくなったらいつでも来てね！

金時山

参考コースタイム＿往復3時間 
アクセス＿車／東名高速御殿場ICから約50分、公共交通機関／JR新宿駅から小田急ハイウェイバス・御殿場・箱根線で「金時神社入口」下車、小田急線箱根湯本駅から箱根登山バス・アウトレット・時之栖線で「金時神社入口」下車

カネコアヤノ

1993年、神奈川県生まれ。2016年に弾き語り作品『hug』でデビュー。代表作にアルバム『祝祭』『燦々』など。シンガーソングライターとして音楽活動を続けるほか、24年からはバンド「kanekoayano」名義でも活動を始め、25年には初のアルバム『石の糸』を発表。現在は全国で14公演を行う「kanekoayano Hall Tour 2025 “⽯の⽷”」の真っ只中。

臼田あさ美

うすだ・あさみ&gt;&gt; 1984年、千葉県生まれ。近年の出演作に映画『早乙女カナコの場合は』『雑魚どもよ、大志を抱け！』、ドラマ『御上先生』『新宿野戦病院』など。8月31日(日)〜9月21日(日)東京公演、9月27日(土)〜9月28日(日)大阪公演の舞台『さよならソングー帰ってきた鶴ー』に出演する。

工藤司

くどう・つかさ&gt;&gt; 1987年、沖縄県生まれ。自身のブランド〈kudos〉、〈soduk〉のデザイナーを務める傍ら、写真家としても活動。現在はアウトドアウェアのブランドを準備中。７月、初の写真集『he was he is』を写場（SHABA KAGURAZAKA)より発表した。

ふもとで臼田さんの下山を待っていたマネージャーYさんは、休みがあれば湯本へ飛んでいく温泉ラバー。金時山周辺の温泉を訪れたYさんから届いたレポートをどうぞ！

宮城野温泉会館 
・地元の方向けの共同浴場だがゲストも利用可能、赴きのある外観にトキメキ 
・箱根十七湯のひとつ、宮城野温泉は1960年の開湯。施設は古いものの清潔で気持ちがよい。 
・内湯と露天風呂があり。アメニティは石鹸のみなので、注意 
・温度は朝イチに行ったためか43〜45度くらいの熱め 
・無色透明のサラッとしたお湯 
・地元のお姉様2名とご一緒したが、世間話をしつつゆっくり入られていたのがまたよき。かなり地元な雰囲気ではあるので、お好きな方は是非

宮城野温泉会館

住所＿神奈川県足柄下郡箱根町宮城野922 
営業時間＿10:00〜21:00（最終受付20:00） 
定休日＿木曜日（祝日の場合は営業）

臼田あさ美、カネコアヤノを迎え、箱根の名山・金時山へ

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