焼きものやガラス、木工に金属にテキスタイルまで。昨今、手仕事のオブジェや工芸品を部屋に飾る人が増えている。同時に、フレッシュな感性でクラフトを作る新世代の作家も急増中。彼らは確かな技術をもちつつも、時代に寄り添うセンスと常識をくつがえす発想で、生き生きとしたアイテムを生み出している。そんなクラフトの魅力は、シンプルでも小さくても、存在感があること。リビングの床や窓辺に置くだけで唯一無二の彩りを添えてくれるし、キッチンや本棚にさりげなく飾れば、目に入るたび心が豊かになる。うれしいのは、まだまだ手に入れやすい価格のものも多いこと。GINZAが目利きした若手作家の、チャーミングな作品を紹介しよう。#新しいクラフトを創る23人
🎨CULTURE
飾れば部屋が変わる！新しいクラフトを創る23人 vol.5
伝統の技法を用いたモダンな竹細工etc.
1・2 北林加奈子
陶の表情を変える糸の存在
まるで芝生のように無数の糸が陶を覆う。北林加奈子は、陶に、糸、木、ガラス、ウールなどを組み合わせた彫刻やインスタレーションを制作する作家だ。陶も糸も見慣れた存在だが、その意外な異素材のコンビネーションに目を奪われる。陶の硬さと糸の柔らかさを共に感じさせ、思わず触れたくなる質感が宿る。右＿モニュメンタム-f H14×W17×D16.5cm ¥71,500、左＿スウェイ-2 H6.5×W21×D8cm ¥55,000（共にインフォメーション）
3 安部仁美
伝統の技法を用いたモダンな竹細工
〈メゾン マルタン マルジェラ〉で勤務したのちに工芸界へ転身した竹工芸作家、安部仁美。室町時代から続く技法を用いて、石に竹ひごを巻き付ける。一般的な竹ひごよりも厚く、幅は細く、面取りをするなど、細部のこだわりが繊細な表情を生む。その手仕事がモダンな印象を与えるのだ。ベースは海辺で拾い上げた石で、ペーパーウエイトにもいい。竹と石のオブジェクト H6.5×W12×D9cm ¥59,400（エスケーパーズ アナザーワールド）
4 岩江圭祐
発泡スチロールが金属彫刻に変身!?
家電を梱包する発泡スチロールの緩衝材を金属で囲い、溶接で密封したオブジェ。用途ある形の一片を取り出し、抽象的な存在に変えた。岩江圭祐は、人間の行動原理や記憶にまつわるノスタルジックな感情から着想を得る彫刻家。鉄という硬い素材だが、発泡スチロールの柔らかな表情も備えた独自の存在感がいい。その佇まいは力強く、どこに置いても彫刻としての存在感を放ってくれる。H10.3×W12×D9.3cm ¥88,000（水犀）
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Photo_Ryuichi Adachi Styling_Yumi Nakata Text_Yoshinao Yamada
