まだまだ残暑が厳しい9月。自然の中でアートを楽しんでみるのはいかが?軽井沢駅から程近い長野県・御代田町で「浅間国際フォトフェスティバル2025 PHOTO MIYOTA」が絶賛開催中。
9月、自然の中でアート写真を楽しもう。「浅間国際フォトフェスティバル」へ

日本ではまだ数少ない“フォトフェスティバル”。その醍醐味は自然の中でアートに触れられること。その瞬間に吹く風や日差しなど気候によって印象が大きく変わる“その場限り”の鑑賞体験が魅力だ。
2018年にスタートした本イベントの会場となるのは、長野県・浅間山の麓、御代田町にある複合施設「MMoP(モップ)」。施設内にある「御代田写真美術館」を中心に、さまざまな形でアートフォトが点在する。
今年は「UNSEEN WORLDS まだ見ぬ世界へ」というテーマのもと選出された17組による写真作品を展示。たとえば顕微鏡写真や天体写真など肉眼では捉えられないものや、地球の裏側で起こっている出来事のドキュメント。日本で暮らす私たちにとって新鮮な光景や、知らなかった現実が、約300点の写真を通してヴィヴィッドに伝わってくる。
GINZA読者に特におすすめしたいのが、1996年生まれの写真家、カロリナ・ウォイタス(Karolina Wojtas)による展示「Abzgram」。テーマにしているのはポーランドの厳格な教育システムで、鮮やかな色使いと遊び心の中に毒とユーモアがひそむ。
「ポーランドの学校はとっても厳しいんです。学校の中に鉄のケージがあったり、正門は先生しか使えなかったり。先生のことを神格化していて、クリエイティブになることが許されない、ルールに従わないといけない雰囲気。私自身、“このシステムは何かがおかしい”と感じながら、でも良い成績を取るために必死に頑張る生徒でした」(カロリナ)
自身の違和感を出発点に、13歳下の弟や彼の同級生を被写体に、複数の学校で撮影を始めた。展示されている写真は、実際に学校で撮影したスナップもあれば、セットアップ写真もあるという。
このほか、主催者であるアマナが所蔵する戦後の日本写真のコレクションの展示も。「日常」「時間」「変容」「色彩」「多様な表現」という5つのキーワードのもと、石内都や森山大道、Nerhol(ネルホル)、長島有里枝など24作家による約200点のオリジナルプリントが並ぶ。
自然豊かな御代田は、東京駅から1時間半ほど。会場の複合施設「MMoP」には、地元のワインなどを扱うショップやレストラン、セレクトショップ、ギャラリーもあるので、小旅行にもぴったり。鳥や虫の鳴き声をBGMに、風が頬を撫でる環境で世界中から集まったアートを鑑賞したら、きっとみえる世界が広がるはずだ。
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