ハンドメイドだからこそ叶えられる無限のクリエイティビティ。作品に映し出される作家たちのパーソナリティとは?4名の作家のポートレートと創作のストーリーをお届けします。#ハンドメイド作品と作家たち
🎨CULTURE
精霊のような曖昧な存在、ぬいぐるみ作家- 光線 -がつくるもの
- 光線 -
ぬいぐるみ作家

仕事の息抜きとして作り始めたぬいぐるみがきっかけとなり、あっという間に人気作家に。初代「毛」の誕生から10年、ぞくぞくと仲間たちが増えてきた。
「小さな存在がずっと傍にいたらいいのにと思って生きてきて。ムーミンのニョロニョロのように、実態が解明されていないくらいがちょうど良いんですよね。だから、名前も具体性がなく、あくまでも“なんとなく”を意識しています」
前髪ぱっつんがトレードマークの「Salasala」、短毛の「Kabi」、ポポーの実という果物を象った「Pawpaw」、石やしょうがの形をした物体まで。日常で出合った“面白いかたち”が創作の源になっている。既成のモチーフは短毛で、精霊のような曖昧な存在は長い毛で。愛でるタイプから、オブジェとして楽しむ人まで、お客さんの幅も広いそうだ。
「鼻も口もなく、目が二つだけ。表情がない分、どんな表情にも見えるし、悲しい時にずけずけと心に踏み込んでこない。無感情に見えて、奥底になにかを秘めている。誰かの手に渡った時に、想像の余白があることを大切にしています」
自身の活動について淡々と話す- 光線 -さんが、次に挑戦したいのは、人間サイズの巨大なぬいぐるみだという。
「森からふわふわと彷徨いながら現れた“毛”の母体となるような存在を作ってみたい。巨大な母体は動けずに森にいるっていう、ちょっと禍々しいイメージで、構想を練っています」
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Photo_Mikito Iizuka Text&Edit_Sakiko Fukuhara
