年末年始の長い連休がスタート。せっかくだから“いい休みを過ごせたな”と思えるアイディアが知りたい。いろんなジャンルのモノやコトに詳しいあの人に聞いた冬休みの過ごし方。俳優の森田 想さんは何をする?
森田 想さんが冬休みにしたいこと
「Netflixで心もお腹も満たされる作品を鑑賞」

Spotifyで「Christmas Hits」プレイリストの再生ボタンを押し、意気揚々と筆を走らせる昼下がり。今年もやってきました、文字数超過しがちなひとり語り企画。3度目の機会をいただき嬉しいです。さて、今回のテーマは「Netflixで観られる、心もお腹も満たされる作品」といたします。
私個人、生きるモチベーションは「何をいつ食べるか」でして、たいてい就寝前にドラマ含め配信作品を携帯で観つつ、その中に出てきたメニューを次の日に食べようと妄想しながら眠りにつくのです。この年末年始に思いっきりぐうたらするだけの予定がある方、シュトーレンを1日で食べちゃいそうな食欲のある方、この冬もたっぷり幸せを蓄えましょうね。理想のおうち時間にオススメな2作品、紹介させてください。
『暴君のシェフ』
『ソンジェ背負って走れ』を追いかけた日々、鼓動の高鳴り、夕立を見るたびに締め付けられる心など、身に覚えのないはずの記憶。あの夏は良かった...次いつあんな作品に出合えるんだか...と思っていたら随分早く出合えました、ニューソンジェ、その名もイ・チェミン俳優。大スター・ユナの相手役としてリキャスティングされた25歳(私の一個下...)、私は最初『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜』にて拝見してまして、長い身体に極小の顔が乗っている好青年だなあという印象でした。それがなんとあろうことか、正真正銘、朝鮮時代に名を轟かせる「暴君」に化けたのです。第一に声がいい。今後の俳優人生、あと2回は時代物をやってほしい。
いわゆるタイムスリップ物。「目が覚めたらここは、朝鮮王朝時代!?」「出会いは最悪!」傲慢で自己中な王様、イ・ホンは絶対味覚で口にするものに関して強いこだわりの持ち主でもある。過去を背負い苦しむ王様の心を次第に動かしていくヒロイン、ジヨン。そんな彼女が作る、真心のこもった、時代に合わないフレンチ技術を融合させた韓国料理の数々...。常識外れだと非難されつつも、持ち前の知識と柔軟性を合わせた腕前で黙らせる。この作品の「料理」に対する気合は一味違います。スプーンひとさじの料理を口に運んだ瞬間、舌に乗って五感に響き渡る旨味の広がり方をコメディに描き切る。食事シーンの度、待ってましたとばかりの展開に大爆笑。初回のコチュジャン・バタービビンバの見た目、米を混ぜる時の効果音、全部美味しそうで困るのなんの。
私のバイブル『宮廷女官 チャングムの誓い』を彷彿とさせる舞台は水刺間。物語はシリアスにもロマンスにも傾きながら、屈託のない明るさと逞しさをもつユナ演じるジヨンが舵を切って進みます。 途中「まだそこ揉めてるの?」みたいな展開はありますが、1話から内容も入ってきて観やすいと思います。何かあっても、大丈夫、待ってれば美味しいご飯が出てきます。真似しやすいメニューが出てくるのも嬉しいポイントで、万能ネギを丸ごと使ったチヂミは私の母親がすぐ作ってました。ポジティブな感情以外になりづらいご褒美ドラマだと思いますので、『ストレンジャー・シングス』の一気見が終わった方、そうでない方も是非開封お願いします。
Edit_Tomoe Miyake