ファッションを見極める確かな目を持つ識者を「おすすめする人」として、身の回りにいる〝おしゃれバランスがいい人〟を推薦してもらった。さらに、推薦された「バランスがいい人」をポートレート撮影!それぞれに個性あふれる私服の装いは、オリジナルな魅力に満ちている。はたしてバランスのよさとはどこから生まれるのか?識者と推薦された人、双方のコメントから探ってみたい。
バランス巧者の私服SNAP。村田明子さん「内面を物語るような装いこそ面白い」
バランスのいい人
村田明子
〈MA déshabillé〉 デザイナー
(右)eri トップ: VINTAGE パンツ: PACO RABANNE ブーツ: SAKIAS
(左)村田コート、トップ、パンツ: MA DÉSHABILLÉ ジャケット: VINTAGE シューズ: ALAÏA
eri 村田さんの服装って、何が好きで、何を面白いと思っているか、それがちゃんと伝わってくるのが素晴らしい。毎日のスタイリングはどのような流れで決めるのですか?
村田 今日誰に会うか、どこに行くかで服を決めることが多いかもしれません。ディテールに敏感に反応してくれるeriさんに会う日は、面白がってもらえそうな小技を仕込んだり、一緒にいる人も楽しんでもらえるような装いが好きです。私の場合、日常と非日常のバランスが、逆転していると思うんです。旅している時のほうがノーマルな状態だったりするので、服の選び方もその時々の流れで決めてしまう。ジュエリーがいろんな友達の家にあったりとかね(笑)。
eri 破天荒と常識のバランス感が独特。日常/非日常もですが、対局にあるはずの二つが不思議とシーソーのようになっていて、それが服装にも生き方にも表れていると思います。人生のバランスが装いと結びついてるんですよね。
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村田明子
アントワープ王立芸術アカデミーファッション科卒。スタイリストやヴィンテージディーラーを経て、帰国。2013年より〈MA déshabillé〉をスタート。
おすすめする人
eri
「DEPT」オーナー
人生のバランスこそが
ファッションに映し出される
「ファッションってつまるところ内側の話であるべきだと思うんです。内側のバランスが外側に表れているって感じられることが、装うことの面白み。そう考えた時に、すぐに頭に浮かんだのが、友人の村田明子さん。さまざまな分野への知見が深く、会話の中に村田さんならではのフェティシズムも垣間見れる。〈MA déshabillé〉の服とヴィンテージの合わせ方、スカーフの巻き方、ジュエリーの選び方など、ディテールの一つ一つが、彼女の内面を物語っているように感じます。
ファッションがテンプレート化されて語られることが多い昨今ですが、それがそのまま自分に当てはまるわけではない。いま一度、自分はどういう文学や映画、音楽が好きか、どんな暮らしがしたいのかについて、立ち戻って考えることが大切なのでは。それが“個”を生み、キャラクターを輪郭づけ、服装に結びつく。それぞれの人生のバランスこそが、ファッションに映し出されると思うんです」
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eri
「DEPT」のオーナー。昨年オープンした中目黒の「明天好好」、世界中から集められた雑貨がそろう「DONADONA TOKYO」も大人気。