地球が抱える問題に対し2030年までの解決を目指すSDGs目標。ファッション界にもその波は到来、素敵なアイテムはいまやサステイナブルが常識!骨太なメッセージを着こなして。
〈プラダ〉〈グッチ〉〈ボッテガ・ヴェネタ〉など、モードなブランドはサステイナブルが常識! アイテムから考える地球のこと vol.1
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PRADA
アクティブに着こなすテック×モード
ハリのある生地にライン仕立てがチアフルな印象のプルオーバー。“美しさのユニフォーム”に目を向けた秋冬は、スポーティなアイテムもベルトマークしたXラインの着こなしで提案、女性らしさを賛美する強いメッセージが込められた。実はこの2点、ともに〈プラダ〉独自のリサイクルポリエステルで作られたもの。Newlife Yarns社との協力から生まれたエコ繊維で、イタリア北部で回収されたペットボトルから製造、リサイクルグローバルスタンダードにも認定されている。他にも原産地を正確に追跡できるトレーサブルコットンや海洋廃棄物などから作られた再生ナイロン繊維ECONYL®など、今季のコレクションはサステイナブルな素材を多用。また〈プラダ〉と言えばアイコニックなナイロン製品をECONYL®で再現した「Re-Nylon」プロジェクトが昨年話題を呼んだが、2021年末までに使用するすべてのバージンナイロンを「Re-Nylon」に切り替えることを発表。「FUR FREE ブランドプログラム」への参加を表明するなど、エシカルな活動を加速している。
GUCCI
旅スタイルも循環型にアップデート
軽くて実用的なデザインに、ゴールドのロゴを刻印したレザータグとGGパターン。プレフォールにお目見えした〈Gucci Off The Grid〉コレクションは、バックパックをはじめウェアやシューズなど活動的なトラベルアイテムが勢ぞろい。ネーミングに込められたのは、メインストリームから離れ、自然と調和して生きること。再生ポリアミドを主素材にディテールにも環境に配慮したマテリアルを採用、原材料の調達から販売まですべてのプロセスで持続可能性の高い方法を取り入れている。〈グッチ〉を率いるケリング・グループはサステイナビリティの世界ランキング「グローバル100」で3年連続アパレル企業第1位に選出、ラグジュアリーシーンの変革をリードする存在だ。〈グッチ〉では温室効果ガスの排出量を完全にオフセットすることを決定。デジタルプラットフォームGucci Equilibriumを通して世界の活動をサポートするほか、先日はコロナ禍での女性への差別や暴力の撲滅キャンペーンを実施するなど、ビジネスの枠を超えた取り組みも注目だ。
STELLA McCARTNEY
世界のアクティビストたちへ
プレーンなシャツに配された1970年代風のサイケデリックなグラフィック。8月にローンチされたカプセルコレクションには、ダイバーシティを象徴するクロスジェンダーなアイテムがそろう。20年代イギリスの民主主義の広まりで全盛期を迎えたプライベートクラブに着想したデザインで、社会と地球環境に変化をもたらそうと行動する現代の“チェンジエージェント”のためにキュレートされた。2001年の立ち上げからハイブランドで唯一ファー&レザーフリーを実践、自身が活動家として循環型な未来のためのチャレンジを続けてきたステラ・マッカートニーらしい提案だ。昨年はLVMHグループのサステイナビリティ関連における特別アドバイザーに就任、バイオ原料の開発にも力を注ぐなど、時代を先行く活動で脚光を浴びている。
BOTTEGA VENETA
イットバッグが クラフト紙で変身!
ダニエル・リーのクリエイティブ・ディレクター就任以降、新アイコンバッグの提案でヒットを飛ばしている〈ボッテガ・ヴェネタ〉。その人気セレクションにクラフトペーパーという意外すぎる素材を使った新作が登場した。FSC認証された100%リサイクル紙が原料になっていて、脂肪族ポリウレタンフィルムとマイクロ繊維によって保護されているため高い耐水性を保持。軽量で、通気性が良いのも特徴だ。〈ザ・ポーチ〉〈BVツイスト〉をはじめいずれもフォトジェニックな仕上がり。〈ボッテガ・ヴェネタ〉では他のアイテムにもサステイナブルな基準が課されていて、製造工程の可視化や倫理的な労働環境を保証する「ISO認証」や「SA8000」を取得、また18世紀のヴィラを改築したイタリアのアトリエはLEEDのプラチナ認証を獲得した。