9月上旬、約1週間に渡って開催されたニューヨーク・ファッション・ウィーク(以下NYFW)。ほかの都市にロケーションを移したり、ショーの開催を中止したりするブランドが増え、年々コンパクトになりつつある中、来場者を「ワーオ!」と驚かしてくれたのが、 〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉と〈MARC JACOBS〉。NYFWレポート第一弾、まずはこちらの2つのブランドにフォーカス!
〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉第2章。
ラフが描く美しきアメリカンホラーショー
(PHOTO: © 2017 Billy Farrell/BFA.com)
ラフ・シモンズがチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任し、2シーズン目を迎えた〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉。ブランド名通りのアドレスで、今季もニューコレクションがお披露目された。期待感で盛り上がる会場は、さながらファッション・オリンピックのような雰囲気。スターリング・ルビーの作品がぶら下がる天井を眺めていると、ポンポンの下に、何やらニョキッと生えたものが、斧!?
前シーズンに登場したラフ流ウエスタンルックが、光沢感ある素材に姿を変え、ファーストルックを飾った。腰にポンポンを付けたモデルたちがコレクションの序章を紡ぎ、スーツを纏ったメンズのルックが登場すると、ストーリーは徐々に雲行きを変えていく。
(ALL RUNWAY LOOKS: © 2017 Giovanni Giannoni)
映画『ローズマリーの赤ちゃん』のミア・ファローのような、ベリーショートのモデルが着たナイトガウン風ドレス。よく見ると、ナイフのスクリーンプリントが!続く、ドレス、タンクトップ、デニムなどにも、事故現場や新聞一面を彷彿とするセンセーショナルなプリントが重ねられている。
今季のテーマは「SWEET DREAMS」。ラフは「アメリカンホラーとアメリカンビューティについて」と話す。「ファッションはホラーを隠し、美しさだけを享受しようとする。だけど、どちらも両方が人生の一部。このコレクションは、そんなアメリカンライフのお祝いなんだ」。
だから、会場に斧がぶら下がっていたのだと納得!プリントはアンディ・ウォーホールの作品を転写し、絵柄の一部には、映画『イージー・ライダー』に登場するデニス・ホッパーのポートレイトも。アメリカン・カルチャーのアイコニックな存在、作品が、ラフの解釈で洋服に落とし込まれていく。
(ALL RUNWAY DETAIL SHOTS: © 2017 Gaspar Ruitz.)
ロンググローブをはめた女性スパイ的なルックは、ラバースーツならぬ、ラバーセットアップ。「MADE IN OHIO」とアメリカン・メイドに誇りを持って。またチュールは、ドレスにレイヤードでミステリアスな雰囲気を醸し出し、ポンポンはフリンジドレスに、ウインドブレーカーは、セクシー&フェミニンなドレスと、ストーリーのキャラクターたちは、変幻自在に飄々と姿を変える。
ポンポンから香水瓶までチャームをモリモリに重ねづけしたバッグに、何かが飛び跳ねたようなスプラッター柄のパンプス。気になる小物もありすぎて、見どころ満載!ホラーさながら、思わず「キャー!!」と叫びたくなる。
〈CALVIN KLEIN 205W39NYC〉セカンドシーズンを見た誰もが思ったであろう、「やっぱりカルバン・クラインとラフ・シモンズの相性、抜群だよね!」と。ビンジ・ウォッチングよろしく、もう私たちはラフが紡ぐ新たなストーリーにすっかり夢中になっている。
ショーの模様はこちらから!
CALVIN KLEIN 205W39NYCSPRING 2018 RUNWAY SHOW