こだわりや個性、ファッションの傾向がわかるのがワードローブ。丁寧にメンテナンスされてファッションアイテムが待機している。そんな服への愛情たっぷりな人たちの、クローゼットを取材しました!
アートディレクター・鈴木淳子のクローゼット
プロダクト視点で心酔した軽やかなボリュームドレス
鈴木淳子
アートディレクター、DAKTEN代表
ブルーグレーのアクセントウォールが大人っぽくて印象的。広々とした寝室にある2カ所の壁面収納が、鈴木淳子さんのクローゼット。なんと30点もの〈セシリー・バンセン〉が出番を待っている。
「美大時代に、デパートでも買えるアートに近い自由表現としてファッションに興味を持ちはじめて以来、幅広いスタイルを通ってきました。〈セシリー・バンセン〉はかわいいと思っていたけれど手を出していなかったんです。そしたら友人に『黒ならきっと似合うと思うよ』と言われて挑戦してみたら、見事にハマってしまいました」
なにより軽くて着心地がいい。おしゃれのためなら我慢も当然という常識がひっくり返った。
「確かにプロダクトデザインの視点から考えれば、購入者に無理させるなんてありえないですよね。こんなにかわいいのに、“もの”としてよくできていることに感激したんです」
ボリュームのある服が多くなり、ふたつある収納のうち、片方に普段よく着るアイテムを、もう一方にはよりかさばるものを保管。なるべくつるすため、どちらもバーは前後2列を用意。自ら色を塗り分けたバスケットなども活用している。
「猫がいるので、ドレスのリボンを引っ張られる事故も経験して。手の届かないところをうまく使えるような工夫もしながら暮らしています」
Photo_Yuka Uesawa Text_GINZA