久しぶりに大きな潮流が生まれた今季。キーワードを学んで備えておこう。デザイナー交代のニュースや新進ブランドの動向にも注視。#2025年春夏コレクションレポート
25年春夏のキーワードは「エアリーな浮遊感や透明感」
コレクションレポート vol.3
キーワードは
「エアリーな浮遊感や透明感」
オーガンジーやシフォン、チュール、レースと薄く透ける素材やフェザーをふんだんに使った“軽やかさ”が鍵に。
Chanel
ついにマチュー・ブレイジーの次期アーティスティック・ディレクター就任が発表され話題の〈シャネル〉。クリエイション スタジオが手掛ける今季は、修復を終えたグラン・パレが舞台に。創設者ガブリエル・シャネルのアパルトマンに置かれていたオブジェにインスパイアされた、巨大な鳥かごを中央に設置。「飛翔の物語」をメッセージに、フェザーの装飾やシフォンのケープ、揺れるロングリボンなど、大きく翼を広げ、飛び立つようなフレッシュさ。
Prada
テーマは「INFINITE PRESENT」(直訳すると「無限の現在」の意)。アルゴリズムに支配される現代の構造と、意外性にこそ垣間見られる“人間性”という真逆の観点に目が向けられた。ファーストルックはメンズモデルがまとった1960年代風の小花柄のドレス。風になびくような肩紐は、実はワイヤー入り。ふわりと広がるシフォンのオーバースカートも時が止まったかのごとく動かない。矛盾に満ちた多様な視点、予期せぬものの大切さを称える試みだ。
Fendi
創業100周年を祝うシーズン。文化や装飾が花開いた1920年代当時のムードに、現代のサヴォアフェールを融合させた。シアーなフラッパードレスには緻密なハンドメイド刺繡やフリンジをあしらって。日常的でありつつ繊細なフラワープリントのティードレスには、〈レッドウィング〉と共同制作したブーツが合わせられている。オーガンジーのソックスにもビーズ刺繡を。〈フェンディ〉らしさを再認識するラグジュアリーかつガーリーなテイストが満載。
Text&Edit_Itoi Kuriyama