2025年2月、〈サンローラン/SAINT LAURENT〉が、およそ1年の大規模改装を終えて「リヴ・ドロワ・パリ」店をリニューアルオープン。特別にデザインされた家具を置き、レストランも併設。メゾンによる文化へのコミットメントがより一層表現されている。
〈サンローラン〉の寿司レストラン併設店舗がパリに
一新された「リヴ・ドロワ・パリ」にはドナルド・ジャッドの家具も

「リヴ・ドロワ・パリ」は、〈サンローラン〉のブティックであり、また、クリエイティブディレクターのアンソニー・ヴァカレロが編集するカルチャースポットでもある。ヴィンテージや書籍、音楽、写真など幅広いアイテムを揃え、アート展示やパフォーマンスの会場となることも。2025年2月、1年におよんだ改装を終え新たな姿でオープンを迎えた。リニューアルにあたって、米国ミニマリズムを率いたアーティスト、ドナルド・ジャッド(1928〜1994)による家具デザインを採用。ヴァカレロとドナルド・ジャッド・ファニチャーが共同でデザインに取り組み、ブティックのための特別な家具が生まれた。
このコラボレーションでは、特注家具の販売もスタート。1984年にジャッドがデザインしたメタル家具をスチールとアルミニウムでそれぞれ仕上げた2種類が生み出され、〈サンローラン〉を通じてのみ購入できる。また、チェアやテーブルなど15種類からなるジャッドのラインナップが今回新色で製作され、こちらも〈サンローラン〉で独占販売される。
もう一つ新生「リヴ・ドロワ・パリ」に加わったのは、食というカルチャーだ。ロサンゼルスで人気店を営むシェフ、ピーター・パークが「SUSHI PARK」を店舗下階にオープン。卓越した技巧による季節の日本料理が、親密な雰囲気の中でサーブされる。
ヴァカレロのクリエイティビティが隅々にまで発揮された「リヴ・ドロワ・パリ」。〈サンローラン〉というブランドの唯一無二の美学がさまざまな文化的試みと交わる、プラットフォームでもあるようだ。
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サンローラン リヴ・ドロワ・パリ
住所_213, Rue Saint-Honoré, 75001, Paris, France
営業時間_10:00〜19:30(日曜11:00〜19:00)
Text_Motoko KUROKI