海外の人気デザイナーはどんな収納をどんなふうに使ってる?自邸やアトリエを訪ね、美しい収納のための楽しいアイデアを教えてもらいました。#海外デザイナーの私的空間にお邪魔します!
〈Meryll Rogge〉のアトリエへ。ポツンと佇む一軒家で“未来の古着”作りに挑む
海外デザイナーの私的空間にお邪魔します!

ポツンと佇む一軒家で
“未来の古着”作りに挑む
ブランド創設から5年、多種多様で自由奔放な服を生み出し続けるメリル・ロッゲ。彼女のアトリエは、ベルギーのゲント市郊外の小さな村にある。緑と静けさに包まれた農家風の一軒家。そのこぢんまりした空間には、生地やサンプル、資料などが所狭しと並ぶ。
ファッションはもちろん、映画やアートからインスピレーションを得る彼女は、芸術鑑賞の時間を大切にする。「それらに触れ続けることで、知らないうちに自分の中にアイデアの種が蒔かれて、ここぞ!という時に発芽し始めます」
デザインプロセスの第一歩は素材選びだ。「生地サンプルを見ながら、その特性は?表現の可能性は?色の組み合わせは?と考えることからイメージを膨らませていく」と話す彼女にとって、テキスタイルを置いたコーナーはまさに聖域。たくさんの生地見本をシーズンや産地ごとに分けてラベリングし、クリアケースで丁寧に保管する。
「〝メリル・ロッゲらしさ〟は、着る人が自信を持って自己表現することを後押しし、新しい自分を発見できる服」。そう語る彼女は、トレンドに振り回されることなく、ヴィンテージやコレクターズアイテムとして次世代へと受け継がれる服を作りたいと願っている。「若い人たちには、良質な服を長く着る喜びを知ってほしい。たくさんの服を持つ必要はない。高価なアイテムは中古で購入したっていい。ヴィンテージや、一生ものと覚悟を決めて手に入れたとっておきの服たちを、クローゼットにはそろえてほしいですね」
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メリル・ロッゲ>> アントワープ王立芸術アカデミーを卒業後、〈マーク・ジェイコブス〉や〈ドリス ヴァン ノッテン〉に勤務。2020-21年秋冬シーズンに自身のブランドを設立。
Photo&Text_Kiyomi Yui