世界の名だたるラグジュアリーブランドが、日本の伝統工芸に注目するのはなぜ?理由の一つは、日本独自の素材使いや繊細な技術に対するリスペクトの気持ち。もう一つは、伝統を信じて制作を続ける姿勢に、長い歴史と美学をもつブランドとしての共感があるからだろう。ここで紹介するのはそんなコラボレーションによる逸品の数々。新たな視点によるものづくりは、伝統技術をより広く伝えることにつながっていくはずだ。
👗FASHION
世界のブランドを魅了する日本伝統の技
京都マーブル、彦十蒔絵etc.
HERMÈS × 京都マーブル

世界唯一のマーブルプリントで作る
色彩豊かなシルクスカーフ
〈エルメス〉が長年探し続け、京都で巡り合ったのが「マーブルプリント」という染色技術。色付けしたペーストを巧みに組み合わせて圧縮し、絹地にマーブル模様をプリントする。20世紀初頭にヨーロッパで開発されたこの技を、現在世界で唯一継承しているのが1967年創業の「京都マーブル」。両者の協業で2021年から作られているのが、スカーフ〈カレ 90 マーブルシルク〉だ。新作のモチーフは野生馬。別名100色プリントと呼ばれるほど、一度に多くの色を使って染められる技術を生かし、立体感のある美しい柄を生み出している。
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Text_Masae Wako
