定番、ベーシック、普遍性。スタンダードとは、流行に左右されない魅力がある。でも、時代や価値観が大きく動くいま、ほんの少しひねりを利かせたら、もっと柔軟に楽しめるはず。飽きの来ないスタイルやオーセンティシティは根底にありつつ、ウィットに富んだアプローチや、視点を変えた多角的な発想。2025年、自分らしいスタンダードを見つけよう！
👗FASHION
変化の時代、これからの“スタンダード”って何だろう？
王道をラフな魅力でアップデート
画一的な“女性らしさ”に疑問を抱き、新しい時代のグラマーを提案した2025-26年秋冬シーズンの〈プラダ〉。可憐さの象徴であるリボンにはヴィンテージ加工が施され、切りっぱなしの裾やマニッシュなウール素材など荒々しさが随所にちりばめられているが、注目したいのはシャツ。エッセンシャルアイテムの筆頭には、ストリングスで寄せられたギャザーや、アシメトリーな襟など、凛とした中にさりげない色香が漂う。退屈や平凡からかけ離れた、現代のステートメントピースだ。
既存の美しさに終始しない、巧みなギミック
肩をしっかりマークし、細すぎず太すぎない袖、余裕のある身幅。きちんと仕立てられたジャケットと聞いて思い浮かべるディテールだが、〈メゾン マルジェラ〉が発表したのは、正統派のウールを使用しながら、太めの袖と絞ったウエスト、随所に波打つような凹凸がある1枚。常に服と向き合い、解体や再構築を経て誰も見たことのない美を牽引するメゾンらしい、ツイストさせたデザインで、気分を一新。
一筋縄ではいかない、魅惑的な二面性
パンツの上にスカートを重ねるスタイリングは定着したが、分量や丈感が難しいのも事実。〈ザ・ロウ〉が打ち出したのは、ベルトを通してはく、後ろ半分のスカート。前から見るとパンツスタイル、バックは、シルククレープの黒スカートが程よく主張しながら、スタイリッシュな佇まいに。
一色の奥行きがつくる表情豊かな着こなし
黒と白の中間であるグレーは、落ち着いたニュートラルカラー。今年らしくまとうなら、〈エルメス〉を参考に明るめのマイカグレーから黒に近い火山灰色まで、グラデーションで色の持つ可能性を引き出したい。ランウェイでも発表されていたように、スコットランドウールやシルクカシミアのニットをレイヤードするのが、ルックをより印象づける秘密。
Photo_Yasutomo Ebisu Styling_Sumire Hayakawa Hair_ASASHI (ota office) Make-up_Asami Taguchi (Home Agency) Models_Mariana P, Olga Lane, Reka Toth Text&Edit_Mika Koyanagi
