「こんにちは、橘田いずみです!」と手渡された名刺に目をやると、思わずほおばりたくなった。均等にひだが入ったぷっくりと美しい餃子の形をしたユニークな名刺で、何だかとてもおいしそう。そんなところからも餃子愛をひしひしと感じられる。数々のアニメやゲームに出演し、声優ユニット「ミルキィホームズ」のメンバーとしても活動中の橘田さんは、餃子研究家としての一面も持つ。「親に聞いたら2歳の頃にはもう餃子が大好物だったみたい(笑)。今でも餃子が主食! 365日、ほぼ毎日餃子を食べます」という橘田さんが餃子を作る際に掲げているポリシーは、基本の肉あんに必ずねぎ汁を使うこと!
「中国のレシピ本を読みあさっていたら、このねぎ汁を発見したんです。マネして作ってみたら、餃子がすごくおいしくなったんです。使うのは小ねぎまたは青ねぎ40gとすりおろしたしょうが20g、水1/2カップのみ。ざく切りにしたねぎをボウルに入れ、めん棒で繊維が壊れてくったりするまでよ~くつぶします。そこにしょうがと水を加え、ぬめりが出るまで手でもみ、ざるで漉して汁気をしっかりと絞るだけ。これを加えると風味も良くなり、激安の豚挽き肉が、高級な黒豚並みの上品な甘さとおいしさに変化するんです。ジューシー感も半端ない!」
「今回は残暑厳しい今の時期でもさっぱりと食べられる『オクラと梅干しの餃子』を作ります。梅干しは種から身を取りたたきます。塩分8%程の甘味のある梅干しがおすすめ! オクラはたっぷりと生のまま使い、4mm程の薄さに切ります。今回はひき肉の方が少し多めですが、ヘルシー志向な方はオクラとお肉を同量にしてもいいですよ。あとニンニクを使わないのも橘田流。日本ではニンニク抜きの餃子は邪道だ! なんて言う人もいますが、餃子発祥の中国ではニンニクは使わないんですよ、入れなくてもねぎ汁があれば十分味わい深くなります」
「次は肉あん作り! まずボウルにひき肉と塩を入れて白く毛羽立つまで混ぜ、調味料を全て入れさらに混ぜます。そこにねぎ汁を投入。さらに梅干しとオクラを入れてしっかり混ぜてください。ラップをかけて冷蔵庫に15~20分寝かせた方がまとまって包みやすくなり、味がよくなじんでおいしくなります。時間があれば一晩寝かせるのがおすすめ。この餃子は焼いても茹でてもおいしいので、焼き餃子と水餃子の2種類イケますよ!」
「餃子の皮は、スーパーに売っているモランボンのものをよく使いますが、私は水餃子用の皮を使って焼き餃子を作ることが多いです。モチっとしていてコシがあり、茹でても大丈夫なように型崩れしづらいのが特徴。餅粉入りもモチモチしておいしいんですが、皮に厚みがあるから、少し食べただけでお腹が膨れちゃうので、いっぱい食べたいなら、水餃子用がおすすめ。しっかり皮がくっつけば、包み方は何でもOK。焼く時は油を引かずに餃子を並べたら1/3くらいの高さまでお湯を注ぐのがポイント。水じゃなくお湯を使うと、一気に皮の先まで火が通り、カリッと仕上がるんです。強火で2~3分蒸し焼きにしたら、お湯が残っている状態で、香り付けにごま油を回し入れます。そうすると少量の油でキレイに焼き目をつけることができるんです」
「水餃子は、簡単で見た目もかわいい三角包みに。鍋にたっぷりの湯を沸かし、餃子を投入したら火を弱め、餃子が浮いたらそのまま2~3分茹でます。皮が半透明になったら出来上がりです。焼き餃子も水餃子も何もつけずにそのままでイケます。ねぎ汁はどんな具材とも相性抜群で、加えるだけでプロの味になるので、ぜひ一度試してみてください」
【レシピ】
・材料
秘伝のネギ汁
豚ひき肉 100g
オクラ 65g
梅干し 大粒1個
餃子の皮 20枚
・調味料
醤油 大1/2
酒 大1/2
鶏ガラスープ 小1/2
塩 少々
ホワイトペッパー 少々