自分でつくれる調味料をひとつずつ増やしていきませんか。
市販品に頼らずにすむから経済的だし、余計なものを使わないからとても安心。自分の手でイチから生み出すストレートな爽快感もすばらしい。一度つくってみると、「なあんだ、こんなに簡単なことだったんだ」と、拍子抜けするはず。
夏に元気なハーブ、バジルをフィーチャーした調味料をふたつ紹介します。
バジルといえば、すぐ思い浮かぶのはマルゲリータ。この、トマトの赤とバジルの緑を配したピッツアの逸品はバジルの甘い香りがなくては成立しない。柔らかくて小さなバジルの葉には、それくらい支配的な魅力がある。
ステップ1は、細かく刻んだバジルとオリーブオイルを合わせるだけのシンプルなオイル。バジルの香りと風味がオリーブオイルのなかに溶け出し、フレッシュなおいしさに変身します。パスタやサラダにはもってこいだし、白身魚の刺身にかければ、香り高いカルパッチョ。私は、木綿豆腐にたらりとかけたり、ゆで卵にちょんとのせたり、カリッと焼いたトーストに塗ったり、気ままに使い回し中。
■バジルのオイル
【材料】
バジル10g
おろしにんにくひとつまみ
オリーブオイル100cc
塩小さじ1/4
【つくり方】
①バジルの葉を洗い、キッチンペーパーなどで水気を取って乾かす。
②細かいみじん切りにする。
③瓶などの容器にすべての材料を入れ、よく混ぜる。
ステップ2は、イタリアで〝ペスト・ジェノヴェーゼ〟と呼ばれる定番のジェノヴァ風ペースト。松の実をプラスして、もったりとしたペーストに仕上げます。削ったパルミジャーノ・レッジャーノを加えるバージョンも一般的だけれど、私の場合、パスタと和えたあと、食べる前にたっぷりチーズをかけるので、あらかじめ省いてつくっている。チーズあり・なし、お好みでどうぞ。
■ペスト・ジェノヴェーゼ
【材料】
バジル50g
にんにく1/2片分
松の実20g
塩小さじ1/4
オリーブオイル100cc
【つくり方】
①バジルの葉を洗い、キッチンペーパーなどで水気を取って乾かす。
②にんにく、松の実、オリーブオイル、塩をミキサーに入れ、とろりと撹拌する。
③粗くちぎったバジルの葉を加えてスイッチを入れ、ペーストにする。
*ミキサーがない場合は、すり鉢を使う
**瓶に入れたら、表面にオリーブオイルをかけるかラップを密着させ、空気を遮断して保存するとバジルの緑が長持ちする
オイルとペースト、どちらもバジルの香気をめいっぱい生かす台所の知恵です。しかも、いつでも、誰でも、簡単に、失敗なくつくれる。〝調味料は買い求めるもの〟という思い込みをあっさり捨てさせてくれること、うけあい。
炎天下、ぐんぐん繁茂するバジルのエキスがぎゅっと詰まった自家製の調味料。うれしくてチョイとスプーンですくい、こっそりそのまま食べたりしています。