お店の中で栽培!?
キノコが媒介する新コミュニティスペース
5月14日、清澄白河にオープンした「KINOKO SOCIAL CLUB」は、「キノコから都市のフードシステムを考える」と銘打つ新感覚の一軒。ビッグ オイスターマッシュルーム フリットバーガーにマッシュシェイク、いろいろキノコのフリット、キノコ探求スープと、メニューはほぼキノコづくし!店頭には原木しいたけを栽培する「ほだ木」がぶら下がり、鎮座するケース内にはたもぎ茸が育つ菌床がずらり。メニューでは、これら店内で育てた品種に加え、「信州キノコ村」の素材を使用。しかもこの菌床は近隣のコーヒーショップと連携し、本来廃棄されるコーヒーかすから作られたもの。そして収穫したキノコを店で調理し、使用済みとなった廃菌床は地域の都市農園へ土壌改良剤として戻すという完全循環を目指している。しっかりとした味わいのたもぎ茸やとき色ひら茸などのフリットを挟んだバーガーは食べ応え十分。マッシュシェイクは一口ごくりと飲み込むと、甘いバニラの奥から濃厚なしいたけの風味がブワッと押し寄せる。一見普通のシェイクだが、原木しいたけをたっぷり炊いて作られた贅沢かつ美味な一品だ。ただおいしいキノコ料理が食べられるだけじゃない、交流や実験の場を兼ね備え、新しい食文化を創出する“KSC”に要注目だ。