朝ドラの“ダメニーニー”役でも注目を集めた俳優・竜星涼。個性的な役からモデルまでこなす彼の素顔に迫ります。
変幻自在な29歳。俳優 竜星涼にインタビュー「モデルの仕事はライフワーク。それも役者をやっていればこそ」

「モデルの仕事はライフワーク。それも役者をやっていればこそ」
すらりと引き締まった体に長い手足、小さくて端正な顔。ラグジュアリーブランドをしなやかに着こなす竜星涼さん。『ちむどんどん』でのダメニーニー (比嘉賢秀)役とのギャップにまず驚いてしまう。まさに変幻自在だ。
「どこに行っても『朝ドラ観てるよ〜』と言われます。影響力の大きさを感じますね。賢秀という男はよくも悪くもまっすぐ。物事が収まりそうになると破壊して、さらなる展開へと導いていくトラブルメイカー的な役割。どうしようもない行動が多くて、間違った道を選ぶこともあるけれど、そこには家族に対する愛があるんですよね。彼なりの正義というか。だからまわりは腹が立つけど許してしまう。まずは、ウザいキャラクターに見えるように、でもチャーミングさは忘れないで演じようと思いました。自分と本気で向き合わなければいけない瞬間が来た時、奔放な風来坊がどんな大人になっていくのか。葛藤や成長の過程を表現するためにも、とことんダメなところを突き詰めていこうと。ある意味、成功したんじゃないかな」
「このセーター、素肌に直接着ているのですが、柔らかくて肌触りが最高。さすがエルメスですね」。ツイードコート ¥721,600、タートルネックセーター ¥333,300(共にエルメス | エルメスジャポン)
演じる上でいつも心がけていることは?
「ドラマに絡めるなら、いかにちむどんどんできるか。まずは自分が役を楽しみたい。そして役割や目的を把握しながら台本に書かれた通りのことをきちんとやる。その上でお芝居はキャッチボールだと思うので、飛んで来たボールを拾いながら返していく。自分の投げた球がどう返ってくるのか、そこがすごく面白いですし、勉強になります」
一方で、パリコレに参加するなど無類のファッション好きとしても知られる。
「洋服は自分のテンションやモチベーションを上げるためのもの。母がもともとアパレルの仕事をしていて、(ヤマモト)ヨウジさんやコム・デ・ギャルソンのモードの時代に生きていた。その影響もあります。コレクションはメンズもレディスもウェブで全部チェックするし、海外の雑誌も目を通します。気に入った服が日本に入るかどうかお店に電話して聞いたり。でもこだわるのはトレンドよりもフォルム。たとえば、基本的にハイネックしか着ないとか、ジャケットは肩があるもの、パンツはフレアが多いという具合に、自分のスタンダードはだいたい決まっているんです。モデルの仕事も大好きなファッションに携わっていたいという気持ちから。ライフワークとも言えます。だからランウェイや雑誌に出られるのはうれしい。それも役者をやっているからこそだと思います」
「かっちりしたジャケットの袖にファーという遊び心が新鮮。赤とタートルネックにも目がないんです」。ジャケット ¥594,000、セーター ¥157,300、パンツ ¥187,000*すべて予定価格(以上プラダ | プラダ クライアントサービス)
この先どんな俳優を目指すのだろうか。
「求められなければ続けることもできないので、求められるのであれば、それに精いっぱい応えていきたい。『こういう役をやってほしい』『チャレンジしてほしい』という可能性を感じてもらえるような俳優になれたらいいなと思っています。今は挑戦することが大事。それが自分にとっての刺激であり、前に進むための原動力になっているんです」
「いい意味で変化球ですね。ポップな色とユニークな素材の組み合わせは写真映えしそう」。ダウンジャケット ¥276,100、パンツ ¥110,000、シューズ ¥80,300、フェイクファーキャップ ¥81,400、ストール ¥100,100(以上ドリス ヴァン ノッテン)
「柄同士のコントラストがいい。こういうスカーフをTシャツにさらりと合わせてみたいです」。セーター ¥173,800、パンツ ¥125,400、スカーフ ¥38,500、ハット ¥85,800、ハットに付けたピン ¥77,000、セーターに付けたピン ¥70,400(以上ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー | ジルサンダージャパン)
素顔に迫るQ&A
Q1 自分の性格を一言で表すと?
A1 ど直球!
Q2 チャームポイントは?
A2 タレ目。最近より一層、年を重ねるにつれてタレ目度が増してきて。お酒が入って眠くなってくるとハンパなくなります。
Q3 ウィークポイントは?
A3 ……それがないと思っている自分。でも、まっすぐさが裏目に出ることがあるかもしれません(笑)。
Q4 俳優になっていなかったら?
A4 パリでパティシエの修業中かも。小さい頃からもの作りが好きで、何かを作る人にずっとなりたかった。
Q5 今はまっていることは?
A5 キックボクシング。週2回行ければいいな。体を動かすことって大事。いい汗をかくと日頃の不摂生が帳消しになる気がします。
Q6 気分を上げたい時に聴く曲は?
A6 YAZAWA!いい曲いっぱいなので、ひとつには選べません。永ちゃんの曲が流れるだけで俄然気分が乗ってくるんです。
Q7 矢沢永吉さんの好きなところは?
A7 生き方。やることなすことすべて。僕の人生で、ここまで好きになれる人に出会えたことが幸せ。コンサートも必ず行きます。
Q8 ストレス解消に何をする?
A8 洋服をキメて街に出かけます。おしゃれすることがリフレッシュ。コーディネートが違ったなと気づくと家に帰りたくなります。
Q9 女性を素敵だなと思う瞬間は?
A9 ギャップに弱いかも。いつもはクールな人が急にキュートな表情を見せたり。可愛らしさのある人は、素直にいいな〜って。
Q10 スタンダードアイテムは?
A10 赤いパンツ。下着の方です(笑)。テンション上がるので大事な日のために買い始めて、気づいたら赤だらけになってました。
「バレンシアガらしいオーバーサイズが僕好みです。上下白っていうのもかっこいいですね」。ジャケット ¥306,900、パンツ ¥210,100、シューズ ¥79,200*参考色(以上バレンシアガ | バレンシアガ クライアントサービス)
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竜星 涼
1993年東京都出身。2010年、ドラマ『素直になれなくて』で俳優デビュー後、映画、舞台など幅広く活動。16年と17年に引き続き、この6月にYohji Yamamoto POUR HOMME 2023SSで3度目のパリコレクションに出演。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』にも出演。