連続テレビ小説『らんまん』の主題歌として、あいみょんが書き下ろした楽曲『愛の花』。毎朝を彩る楽曲への想いから、自身の音楽活動を種から芽吹くまでになぞらえて語ってもらった。前編はコチラ。
【インタビュー】あいみょん、花咲く先に続くもの 後編

自分のライヴを実家の屋上から見たかった
昨年2022年の11月には甲子園でのワンマンライヴもありました。まさに地元での凱旋公演でしたが、あいみょんさんにとっては甲子園はどういう場所でしたか?
小さな頃からずっと西宮で生活をして、甲子園球場が近くにあることが当たり前で。お父さんと野球を見に行く場所だし、夏になればTUBEさんがライヴをする場所で。関西でずっと支えてくださったイベンターのスタッフさんはずっと頭の片隅で「いつかあいみょんを甲子園で」って思ってくれていたみたいなんです。私も目指していたわけではないんですけれど、自然といつか甲子園かなって思うようになってましたね。地元でライヴを一切しなかった理由はそこにあったのかもしれないです。
やり終えた後はどんなことを思いましたか?
お父さんはどう思ったかなって。でも家に帰っても特に感想は話さなかったんですけれど、きっと思っていることはあったと思います。
ライヴの前の日に、お父さんがどうしても設営が見たいって言い始めて。もともとPAなんで機材が好きなんですよ。阪神タイガースの大ファンなんで、甲子園球場の来賓席とかいろんな場所に行ったのもうれしかったみたいです。甲子園が終わった後はもちろんまた立ちたいって思いました。
私、実家の屋上から甲子園球場が見えるんですよ。よく屋上から阪神の試合をやってる甲子園を観てたんですけれど、すごい大きい歓声が聞こえてきて、あそこだけピカーっと光ってて。私、自分のライヴを実家の屋上から見たかったなって思いました。甲子園がピカーッと光ってたわけじゃないですか。それを実家の屋上から見たかったなとか、もしかして見てるかもなというくらいの気持ちでライヴを終えました。
まわりの反響はどうでしたか?
今までのライヴと全然違ったのが、みんなに「頑張ってね」じゃなくて「おめでとう」って言われたんです。確かに、シンガーソングライターになることを夢見て20歳で上京して、ようやく帰ってきた感じはあったので。それに対しておめでとうって言ってくれてるのかなって思ったし、ありがたいなと思ってました。
Photo: Naoto Usami Styling: Masataka Hattori Hair&Make-up: Kanako Hoshino Text: Tomonori Shiba